実在の変な間取り図を鑑賞 「マドリスト」
コトバ百貨店
私ごとだがうちの祖父は、とくに腕利きってわけじゃない大工。よく自宅を自ら改造してビフォーアフターしていた。あげく祖父宅は、脱衣所が洗い場の4~5倍あるお風呂とか、近所の眼科からもらってきた「検眼室」と書かれたドアから入る小部屋とか、ツッコミどころ満載の家に。
限られた国土。間取りを工夫して、少しでも広く暮らしたいという気持ちはわかる。でも、そのチャレンジ精神がアダになることも。不動産のチラシをじっくり見ると、そんな作り手の苦悩がにじみ出た、思わず笑ってしまう間取り図に出合うことがある。
というわけで今週のお品物は「マドリスト」。間取り鑑賞を趣味に持つ、間取り図好きの人のことをいう。たとえば、10メートルの廊下の先に隣の部屋がある1DKとか、玄関を開けると即お風呂場が現れる家とか。実在するヘンな間取り図を収集して、その生活を想像したり、感動したりするのが主な活動となる。
ちなみにmixiの「間取り図大好き!」コミュニティには、約13万人ものメンバーが。マドリストたちが集まって、間取りを楽しむ鑑賞イベントなども開かれているらしい。天国のおじいちゃん、時代がやっと追いついたみたいで。
(ライター 福光 恵)
[日経プラスワン2013年9月28日付]
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