たまたま同じ服装に 友情深める「かぶり男子」
コトバ百貨店
ハリウッドセレブが美を競う映画賞などのレッドカーペット。ブランドにとっては社運を賭けたPRの場なので、ドレスの準備には何カ月もかけるとか。それでもたまに、女優さんが同じドレスを着てしまう、かぶり事故が起こる。とくに2人がライバルなんてときは大変。多くの関係者のクビが飛ぶ、大惨事になることもあるらしい。
昭和のカップルは別として、そんなわけで同じ服の人と顔を合わせるのは、どうにも気まずいもの。一方、日本ではこんな若者が増えている。「かぶり男子」だ。大学やバイト先で、申し合わせたわけでもないのに、たまたま誰かと同じ服装になる男子のことを、こう呼ぶ。
ネットで「かぶった」と検索すると、たとえばチノパンにダンガリーシャツを着て、斜めがけのかばんの角度までそっくり、みたいな男子ペアの写真がゾロゾロ。学生の大部分がチェックのシャツのかぶり男子になっている、授業風景の写真も見たことがある。
しかも服がかぶって気まずいどころか、友情の証しとばかりに喜々としてネットで報告しているのも彼らの特徴。最近、若い男子の顔が覚えられないとお嘆きのみなさん、年のせいより服のせいなのでご安心を。
(ライター 福光 恵)
[日経プラスワン2013年9月21日付]
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