失業率では女性が優位に 「マンセッション」
コトバ百貨店
自分が社会に出たのは1980年代。夫がいるのに働いていると言うと、たびたびこう言われたもんだ。「じゃあ仕事は、奥さんのヒマつぶしか」
今ならその足で、人事部に相談に行くような案件だが、まあ、そういう時代だったってことだろう。あれから四半世紀。働く女性にいまだに苦難は多いけど、さすがに「ヒマつぶし」呼ばわりはなくなった。その一方でこんな言葉も登場するように。「マンセッション」だ。
マン(男)とリセッション(不況)を合わせて、リーマン・ショック後のアメリカで流行した造語。男性の失業率が女性のそれを上回り、男性に降りかかる不遇のことを、こう言う。
日本でも、製造業の海外シフトなどで、男性の働き口が減少。かたや医療、福祉分野で女性の雇用が進み、2012年度の完全失業率は男性4.5%、女性3.9%。書籍「男性不況」(永浜利広著)によれば、その結果低収入の男性が増え、未婚化や晩婚化なんかも後押ししているとか。
そういえば、経済産業省と東京証券取引所は、女性の活躍推進に優れた上場企業「なでしこ銘柄」を認定したばかり。早くも男性版「サムライ銘柄」とかの認定も必要に?
(ライター 福光 恵)
[日経プラスワン2013年6月1日付]
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