即レスだけで気持ちは伝わる? 仕事メールの流儀
僕の都合も考えてよ
食事や通勤の途中、若手の多くはスマートフォン片手に、メールや最新情報のチェックに余念がない。なるほど、こうしていれば仕事のメールにも即座に対応できるんだ。でも、ほどほどにしろよ、とも思う。
メールは相手が都合のよい時に読めるのが利点だが、それで反応が遅いと言うのは変だろう。仕事の連絡を書きっぱなしで済ませるのも違和感がある。電話などで直接話せば、もっとわかり合えるはずだ。
そもそも会社のメールを携帯電話に転送する手続きや設定もやっかいだ。だから、メールは会社にいる時しか読めない。もちろん、職場を不在にするときは必ず電話連絡をいれているから、問題ない。
えっ、会社の電話代が余計にかかるって。それはそうだが必要経費だろう。なにっ、スマホならネット通話とやらで電話代も安くできるのか。それは知らなかった。だけどなぁ……。
とにかく、スマホが使えないからこんなことを言っているのではないから。勘違いしないでくれよ。
デキる女はじらすのも上手
今朝出社したら、やっかいな先輩から気の重い仕事を打診するメールが届いていた。引き受けるしかないけれど、気持ちが逃げてまだ返信していない。たった一言で仕事を回せるのだから、メールは頼む方に都合がよい仕組み。だけど、受ける方はしんどいな。
働く女性向けの雑誌を開くと「デキる女性」の鉄則は頼まれた仕事はすぐにやる。メールも即座にレスポンスするのが基本と書いてある。でも、そこにニュアンスを盛り込むことも大事でしょう。時にはしんどい気持ちを知らせておかないと、ありったけ仕事を背負うことになりかねない。
そういえば恋人同士のメールも最近は様子が違うみたい。私が学生のころは「好きな相手には、すぐ返信しちゃだめ」とよく言われたけれど、みんながスマホを使う今は好きな人ほど即レス。しかも「即」は5分以内というからびっくり。
要するに仕事も人間関係も、スピードで気持ちの強弱を相手に伝えるようになったということ。だったら使わない手はない。
ほらほら、早速催促のメールが来たわ。昔の彼氏みたいに、じっくりじらしてあげようっと。
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