ご近所とメール、便利なんだか不便なんだか…
「無愛想な人」と言われたくない
子どもの部活の連絡網メールが来ると内心、憂鬱になる。「お疲れ様です。インフルエンザがはやって大変ですね……」。本題に入るまでのメールが、まどろっこしい。私も話題を考え適度に絵文字も入れ、女子力もアピールしつつ次に回さねばならない。「無愛想な人」のレッテルを貼られないためだ。
職場でのメールなら「前略」など、簡素な決まり文句で済む。用件を簡潔に言うのが当たり前だ。連絡網だってもとはそのはず。なのに、なぜか中途半端な個性や「お付き合い」が必要になる。ビジネスモードに慣れた身には、違和感がぬぐえない。
しかも学校の連絡網は基本は固定電話だ。ただし共働き家庭も増え、連絡の前後の人の了解があればメールや携帯電話も可。非効率だし一斉メールにしてはと言ったところ、「確実に伝わったかわからないから」とだめだった。
ツールが替わっても昔のやり方にこだわり、メールの効率をあえて悪くするようなこの微妙な距離のお付き合い。私もこのときばかりは「了解」「わかった」など、おじさんたちに多い簡素メールに1票、入れたくなるわ。
上司みたいなのは誰だ
男のメールがいいって本当か。近所づきあいなのに、会社の上司のような対応をする人がいるぞ。
町会で防災訓練の係になり近所の人とやりとりをしている。実施の連絡だから返信は「ご苦労さま」の一言で十分。ところがだ。
「昨年は平日で参加者が少なかった。参加しやすい休日に変更してください」
なるほど、ご高説はもっともだが、町会で話し合ったことをいきなりひっくりかえされた。「連絡が遅い」などと叱責されることも。むげにはできず「来年の課題にします。防災係をお願いします」と返信。すると今度は音沙汰無し。それはそうだよな。僕だってくじでなっただけだし……。
近所って身近なようで、遠いもの。特に男性にはそう感じる人が多いだろう。地域デビューが難しいとも言われる。その原因の一端がメールのやりとりに表れているかも。仕事の調子が抜けなかったり、ぶっきらぼうだったり。
その点、女性は心得た人が多い。「お疲れ様です。当日は晴れるとよいですね」。少し気持ち良くさせてくれるのがポイントだ。彼女たちは面倒かもしれないけれど、学ぶべきだよね。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。