妻は1000円、夫500円…ランチ代それでいいの?
おなかも心も満たしたい
明治安田生命保険が20~50代の既婚男女に平日の昼食代を聞いたネット調査によると、夫が平均535円だったのに対し、妻は941円。1000円以上が6割を占めた。私も彼も世の典型ということらしい。
ただ、数字を見ただけで女の横暴を言い立てるのは、少しうかつじゃない? 「昼食代格差」は妻の権力が大きいということではなく、昼食の意味合いの違いだと思う。男性にとって昼食は午後の仕事に向けたエネルギー源。ひとりでさっと済ませる人も多い。
一方、女性は仲間と話しながら食べることで、おなかも心も満たして午後の仕事に向かう。リフレッシュを含めた場所や時間代が500円の差というわけだ。
一人で食事することも多いのに1000円前後かける私の場合は、家事や仕事の騒がしさを離れた時間をつくるためのぜいたく代。つかの間の息抜き、見逃してくれるわよね。
お金と時間 出所はどこ?
午後一番で大事な取引先と会うことになり近くまで来たが、まだ約束の時間に余裕がある。うーむ、今のうちに軽くランチを済ませよう。そう思って入ったカレーの店が誤算だった。
いわゆる「早い、安い」の店ではない。南国風とでもいうのだろうか。僕には無縁のゆったりした時間が流れ、若い女性たちが会話を楽しみながら食べている。香水くさい空気に圧倒されながら、メニューを見れば、どれも1000円を超えているじゃないか。いつも500円以下で済ませる僕には、想定外の出費だ。
それでもカレーライスなのだから、すぐ出てくるだろうと首を長くしていたが待てど暮らせど現れない。約束の時間まであと10分のところでサラダが出てきた。おいおい。あと4分の時点で登場したカレーを、場違いな暴力的勢いでむさぼり、定刻ジャストで取引先に飛びこんだが……。
こんな誤算が時々ある。勘違いする自分が悪いのは承知しているが、それにしても、なんで女性たちはあんなにゆっくり食べているのか。どこにそんな小遣いがあるのか。所帯持ちの僕にはまったく理解のできない花園なのである。
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