あなたの英語力は十分? 職場が外国になる日
受験英語じゃダメ?
ただでさえ仕事が忙しいから、勉強時間を捻出するのが難しい。どうしても寝る時間を削って教材と向き合うことになる。リスニング教材は最初、懐メロを聴くようで楽しかったが、聴き飽きて疲れがたまってきた。それでも仕事のためと思い、続けている。
そんなある日、知り合いの女性と英会話の話題で盛りあがった。40代の彼女は、仕事帰りに喫茶店などで英会話の先生について習っている。先生は同年代の米国人女性で、気がつけば仲良くなっていた。今は先生の友達の米国人とのつきあいも増えているという。
うーむ、どうも女性にはかなわないな。僕が身構えて受験勉強のように必死に頑張っているのに、彼女は苦もなく自然体で英語をモノにしてしまうのだから。まあ、僕は日本語でも英語でも、ガールズトークに付き合いたいとは思わないけれどね。
無敵のガールズトーク
「さすがねぇ」。英国に留学していたA課長の流ちょうな英語に、みんなうっとりしていたその直後、会議室が凍った。B部長の発音が大変だ。カタカナ風。「クッド ユー プリーズ ゲット……」なんて、新人にやけに丁寧な敬語を使っている。仕事はできるのに英語は苦手だったのね。
勤め先が1日だけ英語を公用語にした日のこと。外資系の会社でも、すぐに順応できない人はいる。
実は私は備えていた。インターネットの英会話講座で、毎日30分ほど海外の女性講師とビデオ通話をしている。最初はテキスト通りにやったけれど、女同士だから、そのうち「仕事が大変」とか「上司がわからず屋」とかおしゃべりするようになった。おかげで楽しみながら会話力がアップ。ガールズトークの効用ね。
もしかして男性に語学が苦手な人が目立つのは、こういう会話をしないから? 教科書通りの会話をしても、なかなかうまくならないし、楽しめないと思う。
それにしてもBさんが英語公用語化に反対し始めたのは残念。英語を使う場面は増え続ける。日本語で反対と叫ぶより片言英語で愚痴る方がずっと生産的よ。
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