真夏にもなぜか白い肌 お子さん日焼けしてますか
完全防備、時代は変わった
「ママ、たっぷり塗ってね」。今日は保育園のプール開き。息子の体にいつもより多めに日焼け止めを塗り、準備万端で登園した。
「乳幼児の肌は弱いから夏は日焼け止めを塗る」というのは、ママ友の間でも常識だ。将来のシミや病気の原因にもなる紫外線から子を守るため、保育園の帽子には首筋を守るひらひらが付いている。プールで子に半袖を着せる園もあるとか。親も対策を取らないわけにはいかない。
ところがだ。私の親世代には異様に映るらしい。炎天下の動物園に出かけたときのこと。日焼け止めを忘れ「これはまずい」と焦っていると、実父が「子どもはそんなのつけるな」とあきれ顔で言う。
全く分かっていない。昔は母子手帳で日光浴を勧めていたそうだけど、今はそんな記述は見かけない。時代は変わったのよ。
実は私も夏なのに真っ白い肌はどうかと思う。ただ、むやみに日焼けさせられない雰囲気もある。先日、久しぶりに会ったママ友に「息子さん、少し日焼けして健康的ね」と言われた時は一瞬ドキッとしたが、うれしかった。真っ黒は困るけど、子どもらしくほどほどに小麦色でいてほしい。その加減が難しい。
夏休み、どこで過ごすの
先日、散歩中にある母子の様子が目に付いた。「帽子をかぶらないと顔が赤くなっちゃう。日焼け止め塗ろうね」。海岸ではなく近所の公園。坊やは神妙な顔で帽子をかぶりなおした。
なんだかなあ、と思う。最近は同年代にもゴルフ場などで日焼け止めを塗る人を見かけるようになった。でも、幼稚園ぐらいの子が遊ぶ時にも必要とは……。
振り返れば、僕らの世代は日焼けが美徳の時代を生きてきた。小学生のころは夏休みに海や山でたっぷり日差しを浴び、休み明けに日焼けぶりを競ったものだった。学生時代もよい色に焼けるオイルを塗ってプールサイドや砂浜で甲羅干し。中には街の日焼けサロンに通い、一年中小麦色を誇る仲間さえいた。要は積極的に浴びてきたわけだ。
もちろん、紫外線の事情が変わった今、若い母親たちの心配する気持ちはよくわかる。でも、防備はきりがないし、何より子どもたちはのびのびと外遊びを楽しめるのか。
見回せば子どもの姿はまばら。暑くなれば熱中症の心配もあるから、さらに減るのかな。夏休みの昼下がり、子どもたちはどこで過ごすのだろう。
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