共働き夫婦、寝不足なのはどっち?
眠りを削って得たものは…
朝起きたら頭が痛い。数日たっても痛みが消えず、仕方なく病院にいくと真っ先に睡眠時間を問われた。4時間半と答えると、「忙しくてももっと休みなさい」と医師に諭された。
睡眠不足は自覚している。でも朝の弁当作りに始まり、仕事を終えて帰宅後に家事や翌日の準備をすれば、あっという間に夜中の12時、1時だ。
総務省の「社会生活基本調査」によれば、働く男女の睡眠時間は先進9カ国で日本が最も短かかった。一番長く寝ているフランス女性が8時間38分だったのに対し、日本の女性は7時間27分。しかも女性の方が男性より短いのは日本だけ。
仕事の時間が長い母親の子どもは、夜10時以降に就寝する割合が増え、睡眠不足になりやすいとのデータもある。生活習慣は家族に広がる。
だが、読書など自分の時間がほしくて、つい睡眠を削りがち。せめて質を変えようと、毎朝子どもが起きる前に時間を作ることにした。すると今度は子どもたちも早起きをする。良い習慣も家族に広がっていく。
「ママ、おなかすいた」。なんだか家事時間が長くなっていない? また頭痛がしてきたわ。
妻の寝る間に何かが起きる
残業を終えて帰宅すると、カミさんはぐっすり眠り込んでいる。だが、大学受験を目指す子どもたちは勉強のまっ最中。居眠り常習犯の彼らを激励し、深夜、よろず相談に応じることが増えてきた。
宿題のリポートをパソコンでまとめるのを指導していたら、なぜか最後にプリンターが動かなくなった。「明日提出だから直して」と泣きつかれ、独り未明まで格闘した。先日は「携帯音楽プレーヤーに、部活で使う曲を入れられないんだ」と相談を持ちこまれ、午前3時半までパソコンやプレーヤーと向き合った。
僕は子育ての深夜担当みたいなものだ。寄る年波に勝てず、寝不足はてきめんに翌日の仕事に響くが、子どもたちは日に日に夜更かしに強くなってきて、深夜の業務は膨らむばかりだ。
明け方、カミさんは起床して弁当を作り始める。彼女いわく「あなたは無防備に口をあけ、気持ちよさそうにいびきをかいている」。カミさんが子どもたちを起こし、洗濯物を干して自分の出勤準備に取りかかるころ、僕はようやく起き出す。「いいわねえ、あなたはたくさん寝ていられて」。そうでもないんだけどなあ。
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