「女の子だから…」ってどういう意味 親心が気になる
甘えていてほしい…
「うちは女の子だから、高望みはしない。ほどほどの学校に入ってくれれば……」。同僚と昼食をとっていた時、高校受験を控える娘がいる彼がそう打ち明けた。思わず僕も「そうだな」とうなずいた。
僕にも大学生の娘がいる。親バカと言われようが、目の中に入れても痛くない存在だ。同僚は「とんがらなくていい。人並みで十分」と言う。人並みに大学を卒業して就職。あとは結婚して幸せな家庭を築いてほしい。そんな思いを娘に抱く父親は、僕のまわりではかなり多いように思う。
もちろん、女性の側からすればずいぶんと失礼な話かもしれない。今の職場では女性が男性と同じ仕事をするのは当たり前だし、夜遅くまでバリバリ働く女性だってたくさんいる。苦労しながらも子育てと仕事を両立している人も。
彼女たちを否定するつもりは毛頭ない。ただ、娘に限っては「そこまで頑張らなくても」と思う自分がいる。共働き家庭は増えたが、それでも主として妻子を養う男のプライドがそう思わせるのかもしれない。女性も自立の時代とわかってはいるけれど、やっぱり娘にはいつまでも甘えていてもらいたいってことかな。
夢見るパパは困りもの
最近は専業主婦志望が増えているというけれど、本当かしら。身近な20代には「キャリアウーマン」なんて古くさい肩肘の張り方はしないけれど、「働くのは当たり前でしょ」という人が多いように思う。
「三高(高学歴、高収入、高身長)の男をつかまえれば先は安泰」といわれた昔なら、主婦志望もありだった。でも今の世、三高男が高収入であり続ける保証は一切ない。業績不振で給料カット、リストラ。会社が無事でも、本人がうつで働けなくなることもある。
男たちに将来を託すぐらいなら、自分が食べていける経済力はつけておいた方が賢い。女だって大学も就職先もより良いところを目指すしかないのだ。
ところが、そんな娘に立ちはだかるのが「女の子だからそこそこで」という時代錯誤の父親だ。結婚すれば男が稼いでくれる。自分や会社の将来を考えて本当にそう言い切れるの? それはあなたの望む幻想。娘に押しつけてどうするの。
とんがる必要はないけれど、女も男と同じように頑張らなきゃいけない時代なのよ、もはや。娘を後押しして頑張らせないと、あなたの老後も危ういよ。
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