家で食べるって本当なの…夫婦の夕飯バトル
我が家は民宿だったっけ
「あ、僕だけど、今晩、何か食べるものある?」。電話口で恐る恐る聞いてみる。案の定、沈黙が続く。やがて「食べないって言っていたじゃないの。急に食べるなんて言われても困るわよ」と不機嫌そうに電話を切られることになる。
晩ご飯をうちで食べるか食べないか、毎朝カミさんに言って出かけるが、なかなか予定通りにならない。食べないつもりだったが、仕事がはかどって残業しなくてすむことがある。逆に飲み会の誘いを断りきれず「やっぱり遅くなる」ということもある。そんな事情があるのに、カミさんは予定の変更に寛容でない。僕は民宿に泊まっているわけではないんだけどな。
昔、ウイスキーのCMで女優の大原麗子が、旦那の都合に振り回されながらも愛らしく待っている女を演じていたっけ。同じことを求めても無理なのかな。
一番摩擦が少なくてすむのは、自宅では一切食べないことにすることだと友人が言っていた。だが外食ばかりではお金がもたない。毎日どんなに遅くなっても絶対に家で食べる人もいるらしいが、それは逆に体に良くないだろう。かくして摩擦は続くのだ。何か妙案はないかなあ。
「これだけ?」が許せない
「どうするって何?」。フルタイムで働く友人は夫から夕食をどうするか問われるメールを受けると、うんざりするという。夫婦は2人とも残業が多く、平日の帰宅は午後8時か9時。夫は夕方に夕食をうかがうメールを毎日送ってくる。
飲んで帰るというメールは「セーフ」。友人は帰りに軽食をつまむか、閉店間際のお買い得総菜などを物色して帰る。時間を気にせず、息抜きもできる。
だが「今晩どうする」という文面は「アウト」。夫は家で食べたいという意味だ。夕食を作ってとはいわないが、夫は家庭料理が好き。「この間もらったかす漬けの魚を焼こうか」などと返信すると、「じゃあ家で」と即レスがくる。「疲れていても期待されては仕方がない」という。
マクロミルが女性516人を対象にした調査によれば、共働き夫婦で週に1日以上、夫が料理をするのは4組に1組。夫が料理をする家の妻は48%が「夫婦円満だと思う」が、料理をしない夫だと31%だった。
ちなみに妻が「カチン」ときた夫の言葉で最も多かったのは「おかずこれだけ?」。夕食を食べたいなら、地雷を踏まないように。
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