富士山の眺めが美しい 絶景の宿ベスト10

霊峰、1年通し様々な表情

この条件では山梨、静岡、神奈川3県にある施設に集中し、中でも山梨県の河口湖畔が多かった。「写真を撮るなら、早朝は河口湖付近、日中は富士山の南側の富士宮市や東側の山中湖村がお薦め」(井門隆夫さん)という。露天風呂につかりながら、さざめく湖面越しに山を眺められる宿も多い。

湖と山の風景は、山中湖付近からも楽しむことができる。ただ、施設の数は河口湖畔に比べると少なくなる。ちなみに千円札に描かれているのは本栖湖と富士山だ。

静岡県側に目を向けると、富士宮市や静岡市、伊豆市からと、様々なところから富士山を眺められる。富士宮市などからは標高3776メートルの頂上「剣ケ峰」を見ることができる。また、伊豆から駿河湾越しに見える富士山も格別だ。ランキングには入らなかったが、富士宮市には割烹(かっぽう)旅館やビジネスホテルなど、割安な宿も多い。神奈川県からは箱根周辺から芦ノ湖や外輪山とともに山頂付近がよく見えるほか、山は小さくなるものの、葉山のリゾートホテルからも楽しめる。

ただし写真のようにくっきりとした姿を目にできるのは、天候条件の整った時に限られる。麓や湖周辺は晴れていても山頂部分は曇っていることは多い。

今夏は時期によってはもう予約が難しい宿もあるが、眺めて楽しむ分には季節を問わない。秋から冬の富士山もまた美しい。比較的きれいに見えるのは冬の早朝だという。

古来、富士山は火をつかさどる神が宿る霊峰とされてきた。江戸時代には民衆の間で富士山信仰する集団「富士講」が増え、拝むために人々が山に登るようになった。信仰の案内人である「御師(おし)」が登山ガイドの役割も果たしたという。日本の象徴の山は今も昔も人々をひきつけてやまない。

 ◇  ◇  ◇  

調査の方法 富士山が見える宿泊施設に詳しい専門家13人に眺めがお薦めの施設を挙げてもらい、リストを作成。客室や大浴場中心に富士山の見え方、温泉や料理などから評価してもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順) 井門隆夫(井門観光研究所代表取締役)▽大井英明(NPO法人富士山クラブ静岡事務所)▽亀山隆(富士宮旅館料理組合長)▽木原秀和(日本旅行広報室)▽小松めぐみ(編集者・ライター)▽清水勝也(富士河口湖町観光課)▽竹村節子(旅行作家)▽立花泰明(近畿日本ツーリスト総務広報部)▽寺田直子(トラベルジャーナリスト)▽水野純子(はとバス企画旅行部)▽米山裕美子(NPO法人富士山クラブ本部)▽ロッキー田中(ときめきの富士写真家)▽渡辺豊博(都留文科大学教授・富士山学)

エンタメ!連載記事一覧
注目記事
エンタメ!連載記事一覧