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「シロップは下」が東京流 かき氷にも千年の歴史 東京ふしぎ探検隊(7)

2011/7/29

「氷」の旗を見かけると、かき氷が食べたくなる

汗をダラダラ流しながら歩いていると、涼やかな「氷」の旗が目に飛び込んできた。手軽に涼がとれるかき氷は、夏の風物詩。最近ではファストフード店や回転ずし店でも見かけるようになった。このかき氷、調べてみると奥が深い。節電の夏を乗り切る、かき氷の話題を集めてみた。

■関東では氷を粗めに削る?

かき氷といえば、真っ白な氷の上に色とりどりのシロップをたっぷりかけてたべるのが定番。西日本出身の記者はそう考えていたが、実は違うらしい。東京ではシロップの上に氷をのせるのが伝統だという。

粗くかいた氷の下に小豆あんがたっぷり入った伝統的な「東京風かき氷」

前垣和義著『東京と大阪・「味」のなるほど比較事典』(PHP研究所)によると、東京ではまず器にシロップを入れ、その上に氷をかいて山を作る。上から白蜜などをかけることはあるが、あくまで少量。後からシロップをたっぷりかけてしまうと、氷の山が崩れて形が悪くなるから、というのがその理由だ。著者はそこに「見栄えの東京と実質の大阪」の違いを読み取る。

真偽のほどは定かではないが、東西の違いについてはこんな説もある。「関東では氷を粗く削るが、関西(特に京都)では薄く削る。味の好みに加え、関東の方が氷が豊富だったから」――。

こうしたかき氷を巡る謎を解明しようと、都内でかき氷を出す店を“はしご”してみた。カフェや大手百貨店などでは「上から派」がほとんど。たまたま見かけたイベント会場でも上からかけていた。路線を変え、浅草や門前仲町など下町を探してみると、昔ながらの甘味処でついに「東京風かき氷」に出合った。

■上の方を押さえて食べる

下に小豆あん、上に真っ白な氷という2層式のかき氷は、ちょっと食べにくい。あんと一緒に食べようとすると下から食べることになり、山が崩れてしまうからだ。店員さんによると「上の方を押さえて食べるといい」とのこと。この店では昔から下に甘味、上に氷のやり方で出しているという。

削り方についてはわからなかった。粗い店が多いようにも思えたが、浅草など下町にもふわっとしたかき氷があり、はっきりしない。そこで江戸時代から店を構えている老舗を訪れた。

下町の甘味処の風情を残す天野屋の店内

江戸時代後期、1846年の創業で神田明神の鳥居の横に店を構える「天野屋」(東京・千代田区)。麹(こうじ)と納豆で有名なこの店は、夏はかき氷が名物だ。6代目の天野亀太郎さんは「やっぱり氷は粗くかかないとね」と笑う。甘味やシロップを先に器に入れ、そこへ粗くかいた氷を盛る。最後に少しだけ上からシロップをかけるが、あくまでベースは東京流だ。さくさくと適度な歯触りのある氷は、心地よい涼を運んでくれた。

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