この連載の第1回と第2回で地下通路や地下街のランキングを掲載したところ、読者から多くのコメントが寄せられた。「東京駅の地下より、大阪・梅田の地下の方が広いのではないか」「いや、名古屋こそ日本一の地下街だ」などなど。そこで地下街のデータを再度洗い直し、日本で最も地下街が充実している場所はどこか、改めて調べてみた。
全国1位は新宿駅、総面積10万平方メートル超
地下街といえばこの人。都市地下空間活用研究会(略称USJ、事務局は東京都文京区)の主任研究員、粕谷太郎さんに協力を仰ぎ、地下街のデータをいろんな角度から検証した。
まず調べたのがエリアごとの地下街の総面積。以前の記事では一つ一つの地下街の面積を比較したが、ターミナル駅では複数の地下街が連結していることが多い。利用者にしてみれば、「○○地下街」というよりも「○○駅の地下街」といわれた方がしっくりくる場合もある。そこで、駅から地下でつながっている地下街をすべて足し合わせた、駅ごとの地下街総面積で比べてみた。
その結果、日本で最も地下街が広い駅は新宿駅となった。5つの地下街の総面積は唯一、10万平方メートルを超えた。幅10メートルの地下通路があったとすると、10キロ分の面積となる。2位が名古屋の栄駅。次いで名古屋駅が3位に入った。4位の大阪・長堀橋駅は、単体の地下街としては日本一だった「クリスタ長堀」1カ所だけで上位にランクイン。5位は横浜駅だった。
駅名 | 地下街名 | 総面積(平方メートル) | |
---|---|---|---|
1 | 東京・新宿駅 | 小田急エース(北館・南館)、京王モール、京王モール アネックス、新宿サブナード、ルミネエスト | 10万4500 |
2 | 名古屋・栄駅 | 森の地下街(栄地下街、栄中南地下街、栄東地下街、栄北地下街の総称)、サカエチカ、セントラルパーク | 8万4100 |
3 | 名古屋駅 | サンロード、新名フード、メイチカ、ダイナード、ミヤコ地下街、名古屋近鉄ビル地下街、ユニモール、エスカ、テルミナ | 8万2400 |
4 | 大阪・長堀橋駅 | クリスタ長堀 | 8万1800 |
5 | 横浜駅 | ポルタ、ザ・ダイヤモンド、新相鉄ビルDブロック地下街 | 8万0600 |
6 | 大阪・梅田駅 | ホワイティうめだ、ディアモール大阪 | 7万7000 |
7 | 東京駅 | 八重洲地下街 | 6万4300 |
8 | 川崎駅 | アゼリア | 5万6900 |
9 | 札幌・大通駅 | オーロラタウン、ポールタウン | 4万7900 |
10 | 大阪・なんば駅 | なんばウォーク、NAMBAなんなん | 4万5000 |
都市地下空間活用研究会の粕谷太郎・主任研究員が作成