最長の「国会議事堂前~溜池山王」、全1181歩
エスカレーターを上って下りると千代田線「国会議事堂前」のホームに出る。ホームを端から端まで歩き、またもやエスカレーターを上って下りると今度は南北線「溜池山王」のホームだ。そこを途中まで通ってエスカレーターを上ったら銀座線「溜池山王」のホームに着く。歩数計を付けて歩いてみたら、1181歩だった。駅探の実測では約13分とのことだったが、少し速かったのか、11分ほどで到着した。
次に長かったのが銀座線と丸ノ内線の「赤坂見附」から南北線「永田町」までで、720メートル。3位も永田町近辺の駅となった。
一方、東京の地下鉄で、駅と駅の距離が最も短い場所は、丸ノ内線の「新宿」から「新宿三丁目」までで、約300メートル。そこから考えると、今回の調査で上位に並んだルートは2駅以上の距離がある、ということになる。
それにしてもどうしてここまで長くなったのか。その謎を探っていくと、地下鉄の歴史が浮かび上がってきた。
乗り換えが長い区間には共通項がある。もともと乗換駅ではなかった駅と駅が、新しい路線や駅の誕生でつながった、という点だ。例えば最も長い丸ノ内線「国会議事堂前」から銀座線「溜池山王」の区間は、1997年に南北線「四ツ谷~溜池山王」間が開業し、同時に銀座線内に溜池山王駅が新たにできたことでつながった。千代田線「国会議事堂前」と南北線「溜池山王」はそれほど離れてはおらず、違う駅名でも十分乗り換え可能。これに対して丸ノ内線「国会議事堂前」と銀座線「溜池山王」は結果として乗換駅となっただけで、もともとは乗り換えを想定していなかったのだ。その証拠に、丸ノ内線「国会議事堂前」のホームを歩いていると「銀座線のりかえは、隣駅丸ノ内線赤坂見附駅が便利です」と書いてある。乗り換え情報は事前に仕入れておくべきだ、と痛感した。
4位の千代田線「新御茶ノ水」から丸ノ内線「淡路町」と5位の日比谷線「仲御徒町」から銀座線「上野広小路」も間に新駅ができたことで新たに乗換駅となったパターンだ。4位は1980年の都営新宿線「小川町」の開設、5位は2000年に都営大江戸線「上野御徒町」ができたことで一気につながった。