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北欧の学校、夏休みに宿題なし でも学力が高い理由 スウェーデンから見る日本 高見幸子

2014/5/23

 OECDの発表によると、女性の就業率が80%を超えるスウェーデン。女性議員の比率も45.0%と、日本の衆議院における女性議員の比率11.3%を大きく上回っています。女性が広く活躍するスウェーデンで40年近く暮らす筆者。現地での経験を生かし、日本の生活がさらに豊かになるためのヒントを、日本の女性からの質問に答える形で、一緒に考えます。
質問
 教育への財政支出が、先進国の中でも非常に低い日本。人材こそ日本の財産なのに、ここをけちってどうするの?と思います。わが家は3人の子どもが公立の小学校に通っていますが、教科書の内容は私たちが子どもの頃よりも薄いと感じます。ゆとり教育に傾いたあまり、読み書き計算のトレーニング的なものが軽視され、一度さらりと授業で触れただけで終わり。優秀な子はそれで身につくのでしょうが、多くの子がそれでは足りない状況のままになっているように感じます。結果、教育熱心な家は子どもを塾に通わせ、足りない部分を補ってるのが私の実感です。
 休みが多くてゆとりが多そうなスウェーデンですが、公教育、子どもの好奇心を養う教育、競争心の育み方はどうなっていますか?(35歳、会社員)

■休みの多いスウェーデンの学校

 スウェーデンの学校の授業時間数は741時間で、登校するのは178日間になります。土曜日は休みです。秋と春の2学期制で、春学期が終わる6月上旬から新学期が始まる8月中旬までの長い夏休みがあります。その間、宿題はありません。

 そのほか、クリスマス休暇、スポーツ休暇、イースター休暇、秋休暇などがそれぞれ1週間ずつあります。日本の登校日数は、196~205日間ということなのでスウェーデンの学校の休みは20日以上も多いことになります。

 スウェーデンでも、以前は、学校で知識の詰め込み教育を行っていました。1970年代から、子どもは、一人一人違うので、それぞれの生徒の学ぶプロセスと自主性を重視する教育にするべきだという議論が始まりました。

 1994年、学校教育の大変革を行い、国はカリキュラムで目標だけを決め、それをどのように達成するかは、自治体と学校が決めるようになりました。今では、教師がどの科目も教壇で一方的に話をし、それを生徒が聞いて覚えるという形が少なくなり、学校でテーマを決めて、グループで取り組むような授業や、計算の練習や国語の読解などはそれぞれ自分のスピードでするという形が増えました。

 このような教育方法は、教師が一人一人の生徒にかける時間をしっかりとらないと実現ができません。スウェーデンでは小学校の1クラスの生徒数は、平均24人です。そして、ほとんどの学校は、1クラスに1人以上の教師が教えており、教師1人あたり生徒は12.1人の割合になっています。

 また、移民でスウェーデン語ができないなど、何かの理由で学習のスピードがかなり遅れる生徒のためには、クラスの教師以外にサポートする教師がいます。義務教育においては、補習授業を公が無料でしてくれるので、日本のように親がお金を出して塾に行かせる必要がないのです。

 成績表も、子どもが競争しなくてもよいように中学校2年生からになっていました。ただし、近年、スウェーデンの学校の学力低下が問題となり、もっと早く成績表をもらうべきだという政府の考えで、今は、小学6年生からになっています。登校拒否が大きな問題にならないのは、このようにいたりつくせりでプレッシャーが少ない教育のおかげかもしれません。

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