ゴルフvs.美容院 貴重な休日は誰のもの
また先を越された……
共働きの我が家。休日はカレンダーに夫婦互いの予定を書き込むようにしている。先に書き込んだ方が優先権を得る先手必勝がルールだ。
カレンダーを1枚めくったら、翌月も土日に妻の書き込みがいくつかあった。やれエステだ、やれママ友同士のランチ会と。子どもを保育園に通わせているけれど、土日はお休み。妻が用事で外出すると当然、子守役はこっちが務めることになる。
土日にやりたいことがあるのは僕だって同じさ。たまの休みは家でのんびり昼寝もしたいし、仲間とゴルフで気分転換もしたい。先日も「あっ」と思いだしてカレンダーを見たら、妻に先を越されていた。出遅れた自分が悪いのは分かる。だがどうしてもはずせないゴルフだった。何とか拝み倒して妻の理解を得たが、随分と借りをつくってしまったらしい。
一杯やりながら、職場の先輩にぐちをこぼしたら「何事もまずは引き受ける。それが夫婦円満の秘訣」とアドバイスが。なるほど「肉を切らせて骨を断つ」戦法か。妻の用事を優先させているうちに、相手も歩み寄ってくるわけか。それでも僕はまだ先輩のように割り切れない。我が家のカレンダー上の攻防はしばらく続きそうだ。
同情するならヒマをくれ
鏡を見て気付いた。「髪の毛がプリン状態になっている」。茶に染めた髪が伸び、頭頂部に現れた黒髪がプリンのカラメル部分のように目立つのだ。前回染めたのは2カ月前だった。
美容院に予約の電話を入れ「日曜日に髪を染めてくる」と夫に告げた。「え、また? このあいだも行ったじゃないか」と不機嫌そうな声だ。2カ月前が「このあいだ」になる夫の時間感覚がよくわからない。
私が不在だと、5歳と3歳の暴れん坊を1人で世話しなければならない。大変なのはわかる。だから自分の予定は最低限に抑えているつもり。身だしなみを整えるのが精いっぱいで、ネイルサロンやマッサージは遠い過去の記憶になった。
この1年ほど、夫は体を鍛えている。休日は数時間をトレーニングに費やす。「夫が中年太りなんていやだろ」。確かに。でもあなたが運動している間、誰が子どもの面倒をみていると思っているの?
「ほら、どんどん引き締まってきた」。夫は細くなった足首や引っ込んだおなかをみせびらかす。一方の私は産後、体重が10キロ増のまま。体形も戻らない。夫は言う。「君も少し、運動したら? でも忙しいから時間をつくるのも大変だよね」。同情するならカネ、ではなくヒマをくれ。
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