女はデザート好き、男はビール好き それ本当?
砂糖が歯にしみる
最近、レストランや居酒屋で「女子会コース」を見かける。不思議なのは大抵サラダとデザートが付くこと。女性でも生野菜や甘いものが苦手な人はいるはずだけど、どちらも女性の好物と思われているみたい。
男性たちとの飲み会では「サラダ、欲しいでしょ?」「デザートは?」と気を遣ってくれる。特に年配の男性に女性はみんな甘いものが好きと思っている人が多い。「デザートは結構です」と断っても、遠慮していると受け取られる。「せっかくだから、ホラホラ」「別腹でしょ?」と勧められると、それ以上強く言えなくなる。
好意はむげにできない。やってきたティラミスやフルーツタルトに「おいしそう」「きれい」などと女子らしく喜んでみせ「砂糖が奥歯にしみる……」と思いながら、頑張って完食する。
デザートを頼むくらいならもう一杯お酒を飲みたいし、仕事の後は何といってもビールに限る。ところが同僚の男性と居酒屋に行き、生ビールの大ジョッキと小ジョッキをまとめて頼むと、店員が必ず男性の前に大ジョッキを置くのはなぜ? 私が飲むつもりなのに。すぐに同僚とジョッキを交換し「はい、カンパーイ!」
ビールは苦い
「男性はとりあえず、ビールでいいですか」。会社近くの居酒屋で開かれた職場の飲み会。席に着くなり、後輩が気を利かせてすかさず聞いてきた。実はあまりビールが好きではないが、女性に混じって「梅酒のソーダ割り」などと言うのも気が引けて、結局いつもビールを頼むことになる。
男ならビールで乾杯するのがサラリーマンの常識らしい。学生時代はカシスオレンジなどの甘いお酒ばかり飲んでいて、入社後の飲み会で社会人の厳しさを知った。苦いビールはどうも苦手で、そのうち慣れるかもと思っていたが、好みはそう簡単には変わらない。梅酒やカクテルなどをためらいなく注文できる女性が羨ましい。
1杯目のビールを格闘の末に飲み終え、ようやくたどり着いたチューハイをグイグイやっていたところで、店員がラストオーダーを告げにやって来た。上司が後輩の女性に「デザートでもどう」と勧めている。
男らしくないと言われそうだが、昔から甘い物に目がない。無性に抹茶アイスが食べたくなり、意を決して手を挙げると、目があったほろ酔い顔の上司がこう言った。「もう1杯ビールを頼むけど、おまえも付き合うか」
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