ロボット掃除機って本当に便利?
やっぱり任せられない
共働きの我が家。休日は夫婦2人で掃除するが、平日は先に帰宅する私が担当することが多い。子どもの食べこぼしやゴミくずが落ちていると、夕飯の支度前に掃除機を掛ける。仕事でクタクタなのに疲れ倍増だ。
そんな悩みを解決しようと買ったロボット掃除機。出勤前にスタートボタンを押すだけで部屋がきれいになるなんて便利と思ったけど、正直、期待外れだったわ。掃除前に椅子をテーブルに上げたり、落ちている雑誌を拾い上げたりして障害物を除かないといけない。自分で掃除するならちょっと動かすだけで済むのに、ここまでお膳立てが必要なんて。夫に指示するより手間がかかる。
しかも出掛ける直前にボタンを押しても、掃除機内のゴミがいっぱいだったりすると動かない。どちらがロボット掃除機の手入れをしておくのか夫と新たな紛争の火種になってしまった。たまにあるゴミの取りこぼしも気になる。
ロボット掃除機は結局、押し入れの中。すきま時間を見つけては、私が掃除機を掛けている。夫が早く帰ればもちろん頼む。「平日にしなくても」と面倒くさがるけど、一日頑張った家族が一緒に囲む夕食。きれいな空間で気持ちよく食べたいじゃない。
小判がまた一つ
ロボット掃除機を3年前に買ったという後輩から「妻も私もルンルンですよ」と聞き、思い切って約8万円もする最新鋭機種の購入に踏み切ったのは消費税増税前。後輩は小型犬が掃除機の大音響に驚くので導入を決めたそうだが「犬の散歩中にロボットが隅々まで掃除してくれて、家に戻ると自動で充電器に収まっている」と満足げだ。
しかし我が家の「大型投資」に妻は不満顔だ。10年ほど使った旧式掃除機は吸い取るゴミより吐き出す粉じんの方が多いようで、妻はマスク姿で掃除していた。同情して掃除を代わるとあれこれ注文を付けてうるさいから買い替えたのに、あまり使った形跡がない。「掃除前に床の上を片付けないといけないし、タンスや食器棚の上は掛けられないし」という。妻の文机を見れば、欧州製の高級掃除機の新たなカタログが乗っている。まったく猫に小判だよな。
思えば十数年前に食器洗浄機を買ったときもそうだった。当初は物珍しくて「やっぱり楽よね」と妻は喜んでいたが、ご飯粒や油汚れは1回軽く自分で洗ってからでないと、すっきり落ちない。いつの間にか使わなくなり、今は巨大な食器入れとして台所で鎮座している。やれやれ、使いこなしてくれよ……。
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