上手に使えてますか ポイントカードにご用心
本末転倒じゃないの、それ
「何だ、それは」。思わず絶句した。ゆで卵のような体形の妻が細身のジーパンを百貨店で買ってきたからだ。米国の高級ジーンズブランドで、値段は3万円あまり。「百貨店カードの優待率が3万円分で8%に上がるのよ」。年間購入額が50万円以上になったから、割引率が5%から8%へステージアップすると妻は得意げだ。
だが調べた限り、セール品や食料品などは優待の対象外。「百貨店へ行くのは初売りやセールの時だけ」と妻は強調するが、とすれば割引率の恩恵はさほどないはず。
妻は財布を大小2つ持ち、百貨店、スーパー、ドラッグストアから専門店までカードが数十枚。トランプができそうだ。自分は使いこなしているつもりらしいが、ポイントに踊らされて無駄遣いに走っているんじゃないのか。
消費税増税前も一騒動だ。「おコメ、買っといて」。駆け込みで得するのは数百円程度じゃないかと思いつつ、スーパーに食品や台所用品を何度も買いに行かされた。寝室は大量の物資が山積みだ。
先日、スーパーをのぞくと「春の格安セール」の横断幕が。急ぐ必要はなかったじゃないか。重いコメ袋を持っていまだに痛みが抜けない腰を思わずさすっていた。
買い物するなら忘れずに
「2504円です」「端数分の支払いはポイントで」。近所のスーパーはためたポイントを1ポイント=1円として使える。端数の支払いに充てれば小銭が増えないし、ポイントを活用している実感があって、とても満足。特に消費税が8%になった4月以降は支払いが1円単位になる場面が増え、便利さを享受している。
ドラッグストア、スーパー、家電量販店、百貨店など5~6枚のカードを持ち歩く。「よく管理できるね」と夫は言うが、甘くみないでほしい。財布とは別に一枚ごとに収納できるカードケースを使って、レジでサッと出せるよう工夫しているのだ。
それなのに夫はポイント集めに非協力的。買い物に行くというからカードを持たせたのに「提示するのを忘れた」。やんわりとがめると「ポイントのために余計な買い物をしているんじゃないの」と嫌みを言う。ポイント集めに血道を上げているわけではない。利用期限がある場合は一年間の購入金額を予想して、加入するかどうかを検討している。現在利用しているポイントカードは厳選した結果だ。
あしたはドラッグストアのポイント2倍の日。でも3月に買いだめしたから必要な物が見あたらない。ちょっと残念かな……。
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