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巨大船舶・虹… 迫力はライブでこそ体感

立川談笑

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NIKKEI STYLE

 直(じか)に体験する醍醐味、楽しみの話をします。先日のスーパームーンはご覧になれましたか? 私は、月が上がったその瞬間から見届ける幸せを味わいました。本当に大きくて、見事な月! もしもその時、仕事だったらのんびりお月様なんか見ていられないし、東京地方は快晴だったなどなどの条件がそろっていてこその感動です。

スーパームーンについてはテレビでも報道されていましたが、残念なことに映像ではあの感動は十分には伝わりませんでした。通常より10%少々大きく見えていたといいます。ところが画面ではいつもとの違いが分かりません。「これだけ大きく見えている様子を、どうにか工夫して撮影して下さい!」と現場のディレクターに泣きつかれて困り果てたカメラマンがどれほどいたことでしょう。

現在では、バーチャルだとか、録画録音やその再生技術が進化して「まさにその場にいる臨場感」が味わえるように思えますが、まだまだ実体験の感動には及ばない部分があります。いきなり結論めいてしまいますが、落語もそう。音源や映像で楽しむこともできますが、実際に客席などその場に身を置いて体感するライブは段違いです。

さてさて、直接体験の醍醐味ということで、いくつか経験を挙げます。まずはスケール感。東京スカイツリーが分かりやすい例です。高さ634メートル! あの驚異的な高さは、写真やVTRではいまひとつ実感が伝わりません。

同じように巨大建造物としては、ダムが見ものです。神奈川県にある宮ケ瀬ダムに行ったことがあります。写真で見ると何てことのない景色ですが、実際に目の前にするとそれはそれは圧巻でした。高さ156メートル、堤頂部は長さ375メートル。下から見上げると、視界に収まらないほどのコンクリートの巨大壁がそそり立っていて大迫力。とてつもない重量感です。エレベーターやインクライン(ケーブルカーのような乗り物)その他の観光施設が充実しているので、子どもを連れて行っても楽しめそうです。

巨大といえば船や造船所も大好きです。私が初めて取材で伺ったのは、業界大手、愛媛県にある今治造船の西条工場です。とにかく何でもでかい。工場の中に入ると、6階建てのマンションのような鉄の塊があって、その上の方で溶接作業をしていました。高所作業です。

この出来上がったビルはブロックと呼ばれる、いわば船の部品です。別に造った巨大なビルとつなぎ合わせて船を造るということです。ということは、このマンションサイズの鉄塊を運搬するのか。見ると、800トンをつる巨大クレーンが3基もありました。800トンといったら、荷を満載した10トントラックが80台分です。

また、何に使うのかテニスコートほどもある巨大な平面トラック車が移動しているその横で、今度は駐車場かと思うほど広くてぶ厚い鋼板を物干し竿(ざお)のようなバーナーで炙(あぶ)って曲面を出していたり。縮尺の感覚がおかしくなるような場所でした。

また後日うかがった三井造船千葉事業所には、西条工場を上回る1000トンづりのゴライアスクレーンが誇らしげにそびえていました。世界最大級の迫力です。造船所は、普段はもちろん我々一般人は立ち入ることはできませんが、見学会や進水式公開等のイベントが随時開催されているようです。

このほかに打ち上げ花火など、その場でスケール感をもって感動を味わえるものはいくつもありますが、どちらかというと手間はかかったとしても確実に味わえるものが多いように思います。この後は、不確実なところをお話します。

直接体験には、その瞬間に立ち会える楽しみというのもあります。美しい桜の盛りや見事な夕焼けは、その場に居合わせるだけで胸がいっぱいになります。そして私の中でこの種の代表格は、なんといっても虹です。雨上がりの空にカラフルな円弧を発見するとうれしくなって、毎度いい歳をして大騒ぎしてしまいます。

つい写真を何枚も撮るのですが、あの感動はその場限りのもので映像には残せません。二重の虹はレア感があって、いっそう心が浮き立ちます。きれいに180度の半円弧を描く姿を拝んだのは、長崎の島原でした。建物が多い都会ではなかなかお目にかかれない光景です。

変わったところでは、一度だけ360度の虹を見たことがあります。頭上の太陽の周囲にくるりとリング状の虹がかかっていました。場所はカナダのバンクーバー空港。緯度が高いとか何かしら事情があるのかもしれません。その時は美しさよりも奇妙さに心を奪われるばかりでした。

そして、いつかどうしてもこの目で見てみたいのがオーロラです。もちろん映像では何度も見たことはあります。写真や動画ですらあれほど見事な光景を、その場に身を置いてライブで目の当たりにしたら……と想像するだけでわくわくします。

先ほど話したバンクーバーから移動して、ユーコン準州にあるホワイトホースという町を訪れた時のこと。その近郊に露天温泉がありました。水着で入る温水プールです。そこではなんと、温泉につかりながらオーロラを眺められるのだそうです! もちろん運が良ければ。

その時ガイドを務めてくれたマイクさんが言うには、「去年のある日の夜は、本当にすごかった。あっちからもこっちからもオーロラがひっきりなしに現れたんだ。このプールにいたみんなは『奇跡だ、奇跡だ』と夜じゅう大騒ぎだったよ」ということでした。いいなあ、オーロラ。

といっても、はるばる北極圏まで出かけたとしても必ずオーロラに出合えるとは限りません。時期を選んで、余裕のある滞在日数を確保して、とはなかなか難しい話です。温泉につかりながらオーロラ見酒。なんて現地の法律上できるのか分からないけど、憧れるなあ。

でもそれ以前にマイクさんはホラ吹きだったから、この話もあてにならないのかもしれません。いや、たとえホラだとしても夢が膨らむから、まあいいか。

(次回は10月21日の更新予定)

 立川談笑(たてかわ・だんしょう) 1965年、東京都江東区で生まれる。海城高校から早稲田大学法学部へ。高校時代は柔道で体を鍛え、大学時代は六法全書で知識を蓄える。予備校講師など様々なアルバイトを経験し、93年に立川談志に入門。立川談生を名乗る。テレビの情報番組でリポーターを務めながら芸を磨く。96年に二ツ目昇進、2003年に談笑に改名。05年に真打昇進。古典落語をもとにブラックジョークを交えた改作に定評がある。十八番は「居酒屋」を改作した「イラサリマケー」など。
<今後の予定>都内での独演会11月3日、12月5日、吉笑(二ツ目)、笑二(同)、笑坊(前座)の弟子3人とともに武蔵野公会堂(東京都武蔵野市)で開く一門会は10月30日、11月27日、12月25日の予定。
立川談笑HP http://www.danshou.jp/

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