2013/10/4

東京ふしぎ探検隊

「都民のままがいい」 境界変更に反対の声も

JR町田駅前。宝くじ売り場のあたりを町田市と相模原市の境界線が走っている

なぜ境界線が川から離れてしまうのか。相模原市に尋ねたところ、「昭和40年代に境川の流域変更を行ったことが原因」との答えが返ってきた。

境川はもともと、くねくねと蛇行した川だった。昭和40年代に入り、氾濫を防ぐ目的で河川を真っすぐに改修した。しかし境界線は古い川筋のまま残ったことで、川の流れと境界線が一部で一致しなくなったという。

町田市と相模原市では、この飛び地状態を解消しようと、境界線の見直し作業を進めている。地権者の同意を得て住所を変更していく作業で、この12月にも数人の住民が相模原市から町田市に移る予定だ。

しかし境界変更は遅々として進んでいない。事業着手から既に20年近くたっているが、今回の変更でようやく5回目で、「飛び地」の半分ほどがまだ残っているという。

担当者によると、手続きが煩雑なことが住民に敬遠されているほか、「都民のままがいい」という声もあるとか。現在相模原市に属している住民の間でも、市への愛着から変更に反対する声があるという。ゴミ収集場所が川向こうにあるなど困っている人もいるものの、住民同士の意見が分かれて実現しないケースもあるようだ。

昭和40年代に境川の改修を行ったことで、町田市と相模原市の境界線は、一部で川の流れと一致していない

行政上の手間もある。マンホールや汚水管、雨水管などの下水道関連設備や橋、道路、公園などそれぞれの市が所有する財産の権利関係を処理する必要がある。場所を確認し、状態をチェックして歩く作業にはかなりの時間がかかる。

とはいえ元を正せば行政の遅い対応が原因。河川の改修をした時に境界変更を実施していればこんなことにはならなかった。改修当時は住民はいなかったのだ。不作為のツケは大きい。

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