WOMAN SMART

朝・夕刊の「W」

海外転勤、共働き家族は… 実績・育児両立への道

2013/11/30

 30歳前後での海外転勤は育児期間と重なることが多く、共働き夫婦は大きな決断を迫られることになる。自分自身や配偶者の海外転勤があっても、キャリアも育児も諦めないための模索を追った。

 「専業主婦になって付いていくつもりはないからね」。博報堂に勤務していた佐伯尚子さん(33)は、昨年11月に夫のタイ転勤が決まったとき、そう宣言した。2歳の子どもと日本に残り、やりがいのある仕事を続けるという選択。だが、今年1月に夫が出発すると「夫の不在が当たり前になり、お互いが必要でなくなっていく気がした」。

 3月に休暇でタイを訪ねて、インターナショナルスクールを巡った。日本にはない、表現力を伸ばす教育方針の学校に子どもを入れられることが分かった。グローバル人材が求められる中で海外経験は自分にとっても必要。会社とも相談してタイで職歴が生かせそうな働き口を見つけた。

 「実績を積めば再就職後も活躍できるはず」と、復職も見据えつつ退職。6月にタイに引っ越した。「海外でのビジネス展開には、その国の歴史や経済を知る必要がある」と、就職が確定するまで大学院に通う。

 配偶者の転勤に同行する期間の休職を認める企業は増えてきた。公務員も同様の休職ができる法律が今年成立し、離職を防ぐ効果が期待される。ただ現状でこうした制度を利用するのは多くが女性で、休職期間中は働く意志はあっても働けない。退職していても同行する家族の就労を禁止する企業もある。本人にとってはキャリアが途絶えることになり、企業も結果的には優秀な人材を生かせない。

 佐伯さんは、現地の日本人転勤家族の妻たちについて「能力や時間を持て余しているように見える。配偶者の赴任先でキャリアを積める仕組みが必要」と話す。自身は就労ビザを取得するつもりだ。

カンボジアで働く青木健太さんとスカイプで会話する娘の遙ちゃん
カンボジアで働く青木健太さん

 「これまで育ててくれたんだから、今度はこっちで面倒を見るよ」。化学メーカーの日本化薬に勤める青木静さん(30)は、夫の健太さん(31)の提案に耳を疑った。児童買春の撲滅に取り組むNPO法人かものはしプロジェクトの共同代表だった健太さんは結婚直後、カンボジア駐在代表に就任。以来3年近く、静さんは実家の支援を得ながらも、日本で子育てと仕事を1人でこなしてきた。

WOMAN SMART新着記事

ALL CHANNEL