腕時計、その深~い世界 漫画でわかる基礎講座まとめ

2020/11/12
イラスト:中村恵利加
イラスト:中村恵利加

腕時計の奥深い世界を漫画で楽しく知ってもらえたらと、2019年に続き、20年も5月から「腕時計 基礎講座2020」がスタートしました。

19年版では機構や機能などメカニカルな部分がテーマでした。20年版では、時計のドレスコードやスポーツとの関わり、名画の中の時計など、時計をとりまく話題やトレンドにフォーカスしています。編集長、記者、喫茶「コグマ」マスターが喫茶店で繰り広げる、時計談議をお楽しみください。




(1)「何もない文字盤」の正体は

時計好きのマスターが新たに手に入れたのは、H.モーザーのコンセプトシリーズ。このモデルは文字盤上のインデックスや文字要素を排し、限りなくミニマルなデザインが存在感を放っています。

グラデーションが美しいダイヤルはフランス語で「煙(フュメ)」を意味する「フュメダイヤル」と呼ばれる、中心部に向かって淡いトーンに変化していく独特の文字盤を採用。シースルーバックから見えるムーブメントがきれいで、時計の細部の構造一つ一つがアイコンとなっているような時計です。

【記事はこちら】「何もない文字盤」 挑発する時計の正体

(2)腕時計の「正装」ってどんなもの?

時計にもドレスコードがあることはあまり知られていません。たとえば、パーティーで「ブラックタイ」と指定されていたら、相応のタキシードをまとうだけでなく、時計にも気を配ると、「できる人だな」と思われます。

合わせるべきモデルといえば、ドレスウオッチです。基本は、薄型、2針、ラウンド(丸形)。さらに文字盤は白がシルバーがベターとされています。インデックスは「I、II、III」で表示する、ローマンインデックスを。特に格の高い場所にいくなら、シルクサテンかクロコダイルレザーのベルトを選べば完璧です。

【記事はこちら】「正装」は服だけじゃなかった ドレスウオッチの基本

(3)時計は映画の人物を表す大切な小道具だ

映画と時計は切ってもきれない関係です。そして、登場人物が着けている時計は実際のモデルとして売り出され、大変な人気を集めてきました。昨今はそうしたモデルの復刻版が相次ぎ出されています。

「007」の主役、ジェームズ・ボンドはロレックスやオメガをつけてきたことで知られています。また、シルベスタ・スタローンは、そのたくましい風貌に合った、分厚い「パネライ ルミノール」を映画「デイライト」でつけ、パネライ人気の火付け役になったといいます。最近では「男はつらいよ」の車寅次郎、通称、寅さんが着けていたセイコーの時計が復刻して、話題を集めています。

【記事はこちら】キャラを演じる腕時計 スタローンに似合うブランドは

(4)ルパン三世の腕に光る時計は何?

アニメやドラマにも、こだわりの時計をする人物が数多く登場します。よく知られているところではルパン三世。原作者のモンキー・パンチさんが大の時計好きで、時計愛好家がまずチェックするアニメといわれました。ゼニスからは19年、20年に次元大介モデルが出ています。

ドラマ「相棒」シリーズの主人公、杉下右京はジラール・ペルゴやグランドセイコーなど多彩な時計をつけて登場します。右京はファッションにもこだわりがある人物として描かれ、身につけるものすべてがファッション好きの興味をかき立てています。

【記事はこちら】ルパン三世に「相棒」の右京…ヒーローの腕に光る時計

(5)スポーツと時計の親密な関係

公式タイムキーパーという言葉を聞いたことがありますよね。オリンピック・パラリンピック、ラグビーやサッカーのワールドカップ、ゴルフの全米オープンなどスポーツ競技の公式記録や競技時間を計測するのがタイムキーパー。それぞれの競技に関係するすべての時計は選ばれた1つの企業(ブランド)の時計に統一されるのです。

名だたる国際試合でタイムキーパーに選ばれるのは名誉なばかりか、ブランドを広く知らしめ、記念モデルのヒットにもつながります。活躍した選手の記念モデルが登場することも多いんですよ。

【記事はこちら】時計とスポーツに歴史あり 公式タイムキーパーとは

(6)ファッションブランドの時計のすごい実力

機械式時計は時計専業メーカーのものだけではありません。最近急速に存在感を増しているのが、シャネル、ブルガリ、グッチといった、ファッションブランドの時計なのです。自社ムーブメントを開発し、機構からケースまで、専業メーカーも驚く実力をつけているのです。

たとえば機械式時計の「薄さ」で記録を更新し続けているのがブルガリです。シャネルは黒のセラミックを使った時計で一世を風靡し、オールブラックウオッチのムーブメントを巻き起こしました。素材や機構のユニークさを売り物にしたファッションブランドの時計は、今後も増えてきそうです。

【記事はこちら】シャネル・ブルガリ・グッチの時計 業界驚かす実力

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【2019年の腕時計基礎講座はこちら】

【第1回】機械式かクオーツか、それが問題だ
【第2回】ああ、愛しきクロノグラフ
【第3回】たかがカレンダー、されどカレンダー
【第4回】ワールドタイム、世界は私を中心にまわっている
【第5回】薄いのがお好き? 厚いのがお好き?
【第6回】洒落者の腕元を飾る○□△


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