腕時計の奥深さはメカニカルな部分だけではありません。ケースや文字盤のデザイン、歴史上の人物との関わりなど、秘められた物語が盛りだくさん。知れば知るほど面白さにハマるはず。某新聞社の記者と編集長の凸凹コンビが、めくるめく世界にご案内します。


ファッションブランド系の時計って、専門家はどう見ているの?

いや、私は専門家じゃなくって喫茶店のマスターですがね。正直、目が離せない存在だと言わざるを得ないでしょう。以前は「とりあえず時計も出しておくか」っていう感じのが確かに多かった。今は本気度が違う。ムーブメントからケースまで専業メーカーもびっくりのクオリティーです。

そこにブランドの美意識や世界観が加わって・・・

その通り! 時計業界の常識を覆すような、面白い時計が続々と出てきています。

専門家が特に注目!っていうのはあります?

いやだから、私は喫茶店のいちマスターですがね。機械式時計でいうと、シャネル、エルメス 、ルイ・ヴィトン、ブルガリなんか申し分ない。ブルガリは機械式時計の世界最薄競争で、名門ピアジェと競い合ってるくらいですから。グッチはクオーツ時計中心ですけど、かなり面白い存在。デザイナーのアレッサンドロ・ミケーレの世界観が爆発していて、時計でファッションしてます。

2000年にシャネル初の機械式腕時計として登場。ココ・シャネルの世界観を象徴するカラー、黒を使ったセラミックに始まり、その後白やダイヤモンドのゴージャスなものなどラインアップ豊富に。
ブルガリの世界最薄「オクト・フィニッシモ」シリーズで最薄時計の世界記録を次々更新しているブルガリ。最新の 「オクト フィニッシモ トゥールビヨン クロノグラフ スケルトン オートマティック」は厚さ3.5mmのムーブメントを収めたケース厚がわずか7.4mm。
グッチの時計最近ではカタカナで「グッチ」と書かれた日本限定モデルが話題に。スケートボードの世界に着想した「グリップ」やビー(ハチ)モチーフの秒針の「G-タイムレス」などファッション性が高い人気モデルを展開。

ワカマツ編集長
時計、ファッション、車好きな某新聞社編集長。思索の場は喫茶「コグマ」。

安土さん
喫茶「コグマ」マスターで、実は元時計技師。映画好きの親分肌。

本橋さん
時計担当編集者。育休中に時計雑誌を愛読し、知識を身につけカムバック。
監修:安藤夏樹(プレコグ・スタヂオ) イラスト:中村恵利加
《腕時計 基礎講座2020》
【第1回】「何もない文字盤」 挑発する時計の正体
【第2回】「正装」は服だけじゃなかった ドレスウオッチの基本
【第3回】キャラを演じる腕時計 スタローンに似合うブランドは
【第4回】ルパン三世に「相棒」の右京…ヒーローの腕に光る時計
【第5回】時計とスポーツに歴史あり 公式タイムキーパーとは
新編集長がやって来た! 「時計講座、再起動します」
《2019年の腕時計 基礎講座》
【第1回】機械式かクオーツか、それが問題だ
【第2回】ああ、愛しきクロノグラフ
【第3回】たかがカレンダー、されどカレンダー
【第4回】ワールドタイム、世界は私を中心にまわっている
【第5回】薄いのがお好き? 厚いのがお好き?
【第6回】洒落者の腕元を飾る○□△

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