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機械式かクオーツか、それが問題だ

時計

腕時計 基礎講座 (1)

2019.5.17

身近でありながら奥深い腕時計の世界。耳なれない専門用語も多く、つい及び腰になってしまう人もいるかもしれません。けれどもう心配ご無用。某新聞社の新米記者とベテラン編集長の凸凹コンビが基礎の「キ」からご案内します。

【第2回】ああ、愛しきクロノグラフ
【第3回】たかがカレンダー、されどカレンダー

時計担当になったからには一ついい時計を買いたいんです。編集長はこの二つの時計だと、どちらがお好きですか?

うむうむ、いい心掛けだ。どれどれ、グランドセイコーのクオーツモデルと機械式モデルか。こっ、これは悩ましいなぁ。

私は電池で動くクオーツ時計のほうが、放っておいても動き続けるし、いいと思うんですけど。

確かにクオーツは手間がかからないし、時間も正確。機械式時計が1日に数~十数秒狂うのに比べ、一般的なクオーツなら月に15秒程度、ものによっては年に10秒ほどしか狂わないからね。

じゃあ、やっぱり、クオーツ時計のほうか……。

機械式
巻き上げられたゼンマイがほどける動力として歯車を回し、針を動かす仕組み。手でゼンマイを巻く「手巻き」と、腕の動きによって回転するローターがゼンマイを巻き上げる「自動巻き(オートマチック)」の2種類がある。

クオーツ式
電圧を加えると一定の周期で振動する水晶(クオーツ)の特性を生かし、水晶振動子から取り出した振動を電気信号に変換、モーターで針を動かす電池式の時計。機械式に比べて高い精度を備えると同時に、構造が単純なため低価格で生産できる。

いやっ、機械式時計にだっていい点はいっぱいある。例えばクオーツ時計の場合、出張中に電池が切れてしまったら困るだろ。でも機械式ならその心配はない。

そして何より、壊れたときの修理の問題は大きいんだ。クオーツの場合は、修理のきかないことも多いけれど、機械式ならまず大丈夫。

なるほど! で、結局のところ編集長はどちらが好きですか?

そりゃ、やっぱり、機械式かな。確かに手間はかかるけれど、その分愛着もわくもんだ。オーバーホールをすればずっと使えるし。
何より、この小さな世界の中で歯車がチクタク動く様子っていったらもう最高だよ。機械式はロマンだ!ロマンだ!ロマンだー!

電波時計・GPS時計
電波時計は内蔵するアンテナで標準時の時刻情報を発信する「標準電波」を受信して、時刻を自動修正する機能を持つ。GPS時計は全地球測位システム(GPS)衛星の電波を受信、時刻情報と位置情報から、タイムゾーン(時間帯)に応じた正しい時刻に修正できる。

スプリングドライブ
機械式時計と同じくゼンマイを動力源として駆動、発電して、クオーツ式時計と同じように水晶振動子からの信号で精度を制御する仕組み。「高精度を実現した機械式時計」であり、「電池もモーターも使用しないクオーツ式時計」でもある。セイコーが1999年に発表した独自機構。

監修:安藤夏樹(プレコグ・スタヂオ)

【第2回】ああ、愛しきクロノグラフ
【第3回】たかがカレンダー、されどカレンダー
【第4回】ワールドタイム、世界は私を中心にまわっている
【第5回】薄いのがお好き? 厚いのがお好き?
【第6回】洒落者の腕元を飾る○□△

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