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キャリア

育休明けママ、即フルタイム 出産後もキャリアつなぐ シッター活用や夫と家事分担

2018/3/13 日本経済新聞 朝刊

キリンの米本友華さんは環境に優しい容器・包装を研究している(横浜市鶴見区)

 育児期の働き方は難しい。短時間勤務ができるようになるなど選択肢は広がったが、仕事の比重を下げすぎると“マミートラック”に陥り、将来のキャリアに響く。出産前後で働き方を変えたくないと復職時にいきなりフルタイム勤務を選んだワーキングマザーに工夫と狙いを聞いた。

 ◇   ◇   ◇

■外部サービス、ためらいなく利用

 「外に頼れるサービスがあるなら、コストは気にしない」。第一生命保険総合審査部の課長、藤田ゆり子さん(37)は強調する。2015年末に第1子を出産、16年4月にフルタイム勤務で復帰した。保育所への送りは夫、迎えは妻。ただ火曜と木曜はベビーシッターに迎えとその後の世話を任せる。家事代行も週1回使って、掃除と夕食の作り置きを頼んでいる。

 出産したらキャリアは終わり――。20代のときはそう思っていた。転機は11年の米国赴任だ。現地の米国人女性は出産後3カ月程度でフルタイム復帰する。シッターなど外部サービスの利用にためらいがない。後ろめたくないのかと尋ねたら「母親が複数いるようなもの。子どものためにもいいのよ」と笑顔で返された。なるほどその手もあったか。出産への不安が消えた。

 藤田さんの収入の半分はこれらの支払いに消える。「でもキャリアをつなぐため。それに無理に仕事と育児を抱え込んで、どちらも中途半端になる方が心理的につらい」。現在2人目を妊娠中で予定日は4月。今回も10月にフルタイム復帰する計画だ。

 公益財団法人21世紀職業財団の「若手女性社員の育成とマネジメントに関する調査研究」(15年)は入社10年目までの若手社員に出産後の働き方について希望を尋ねている。仕事の責任や内容について「生まれる前と同じように働きたい」が「両立しやすい仕事に変わりたい」と同数の37.6%を占めた。環境が整うなら、フルタイム復帰を望む女性は少なくない。

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■夫の職場近くに転居

 ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンターの新倉奈々恵さん(36)は16年秋に長男を出産。このとき大阪府高槻市から、夫の勤務先がある堺市に引っ越した。「夫は残業が多いので、高槻のままだと保育所への送迎に関われない。朝夕の送迎を1人でするとフルタイム勤務が難しい。夫の職場近くに引っ越せば2人で分担できる」

 新倉さんは午前8時半~午後5時勤務。送りは夫に任せて午前7時前に家を出る。定時に退社すれば迎えは間に合う。結婚当時から夫は家事を半分担っていた。引っ越しで送迎問題を解決。夫婦共働きを難なく続けられる。

 担当業務は人工知能(AI)を利用した空調制御システムの開発。次世代を担う重要な技術だ。15年に部署ができた際、技術力と経験を買われて抜てきされた。「短時間勤務では研究のサポート役に回る恐れがある。入社10年で巡ってきたチャンスを逃したくない。フルタイム勤務での復帰しか考えていなかった」と説明する。

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