夏に食べたい ぜいたくレトルトカレー
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本格アジア系がホット
汗ばむ季節。暑いと食べたくなるのがカレーだ。レトルトにも本格的な内容のカレーを味わえるものが多い。スーパーや通信販売で購入できるレトルトカレーを専門家に食べ比べてもらい、家族でちょっとしたぜいたくを楽しめるおすすめを選んだ。
店頭で100円を切る商品も珍しくないレトルトカレー。節約志向を受け、外食に比べ、お金をかけずにほどよい満足感は得られる200円以上のワンランク上の商品を買う人も増えており、レトルトカレー全体の売れ行きも伸びている。中でも人気が高まっているのが、本格的なアジアのカレーが食べられる商品だ。
1位はタイカレー。特に女性に受けており「家庭料理としてタイ料理の調理法を身につけたいと希望する女性も増えている」(料理研究家の町田えり子さん)。アジアンリゾートを思わせる甘いココナツミルクやかんきつ系ハーブの香りも好まれているようだ。
3位をはじめインド系も好評だ。様々な種類があるが、伸びが目立つのが、ひき肉のキーマカレー。ランキングでは5、9位に入った。水分が少なく、肉や香辛料の風味を感じやすいのが人気の理由だ。日本在留インド人の増加に伴い、インド料理店が増えたことも背景にある。「本場のカレーを食べる機会が増え、レトルトにも本格的な味を求め始めた」(カレー総合研究所の井上岳久さん)
ぜいたくカレーと言えば以前は欧風カレーが中心だったが、今回も2位と10位につけた。10年ほど前から増えているご当地系も複数入り、根強い人気だった。
辛さが気になる人も多そうだが、上位10品に「甘口」はない。ただ、その中で欧風カレーはマイルドな辛さでアジア系と比べてくせがなく、比較的食べやすい。右の表に辛さの目安を載せたが、辛さの感じ方は人によって違う。辛さに強い人は、表記より辛くないと思った方がいいだろう。
さらっと炊くなら すし飯モード
おいしく食べるにはご飯も重要だ。カレーに合うのはどのようなライスだろうか。中村屋は「米全体にカレーソースが絡むように、ある程度パラパラでありながら、モチモチ感のある米が日本人には好まれる」という。
「ごはん革命」などの著作がある米販売店主の西島豊造さんは「炊飯器のすし飯モードを使うと、粘りがちなコシヒカリでもさらっと炊ける」と話す。銘柄では、北海道産のきらら397、秋田産の萌えみのり、福井産の花キラリ、佐賀産の天川コシヒカリなどがさらっと炊けてカレー向きという。
また、タイのグリーンカレーなら生のバジルを添え、インドカレーなら複合スパイス「ガラムマサラ」を加えると、より本格的な香りを楽しめる。
調査の方法 大手メーカーの1人前200円以上のカレーやご当地カレー合計約340商品から、専門家への事前調査で20商品を候補に選出。それらの商品の中から試食会(日本フードアナリスト協会が協力)でおすすめを選んだ。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
青柳崇子(フードアナリスト)▽井上和人(井上スパイス工業社長)▽井上岳久(カレー総合研究所)▽香取薫(インド料理研究家)▽木越敦子(フードアナリスト)▽清絢(郷土料理研究家)▽タカハシユキ(フードコーディネーター)▽藤原浩(フードアナリスト)▽町田えり子(料理研究家)▽八巻宏(カレーマーチャンダイザー)
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