日経MJ

ISSが製造に関わることで「クッション性が3%向上」といったように、前のモデルと比較できるようになり、このことがプロモーションに役立った。顧客にとって前年のモデルとの違いが分かりやすくなり、5代目から7代目にかけて生産数が増加していった。

日米欧で人気 今夏にも29代目の発売予定

その後は「アシックスの顔」として米国だけでなく、欧州や日本でも人気のモデルとなってきた。10代目ではISSの研究成果がシューズの底の部分だけでなく上部にも取り入れられ、フィット性が向上した。

25代目では底面に従来よりも反発性の高い素材を採用。これまで2層構造だった底面に新素材を使用。一部を分厚い1層に変えたことで、より跳ねるような感触になった。毎年、ISSとの共同研究の成果を開発に生かし、少しずつ地道に進歩を続けてきた。

2021年の夏に発売した28代目は、素材を進化させたことで反発力を向上させた。改善を続けていくことは容易ではないが、中村さんはゲルカヤノについて「アシックスのフラッグシップモデルとして、常に進化する必要があるし、進化できる」と力を込める。

この夏にも29代目の発売が控えている。より多くの人が、より負担なく、けがをせずにランニングを楽しめるよう、ゲルカヤノの進化は続く。

(川野耀佑)

アシックスは1993年に「GEL―KAYANO TRAINER」として初代を発売。同社の高機能シューズの中では、けがをしにくい「安定性」を重視したシューズと位置づけられている。最新の「GEL―KAYANO 28」は1万7600円。

[日経MJ 2022年6月17日付]


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