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子どもの笑顔は大人がつくる ~ママ世代公募校長奮闘記(17) 山口照美

2013/12/27

 2学期の終業式を迎え、子どもたちを冬休みへと送り出すことができた。疲労と安堵の入り交じった中、この原稿に向かっている。

 学校行事の多さと、土日を問わない地域やPTA関連の用事に加え、娘の保育園行事でヘロヘロになり、気力で布団を跳ね飛ばしてどうにか出勤する。そんな日々が続いた2学期だった。それは校長だけでなく、多かれ少なかれ他の教職員も同様だろう。とにかく、行事が多かった。来年度は、やるべきことの精選が課題となる。行事を削る際は、諸方面に気を遣う。「やめる」という選択は、「はじめる」より辛い。あちこちに頭を下げ、時には敵を作る覚悟が必要だ。アメリカのある女性CEOが、上司に言われたセリフを思い出す。

 「誰からも好かれようとするから、思い切ったことができないのだ」

 この9カ月の自分に刺さるセリフだ。嫌われてでもやり遂げる覚悟が、足りない。でも、若いうちは会社組織で、20代後半からは自営業で揉まれてきて思う。きっと、柔らかく着地できるポイントはあるはずだ。

■大人は、意志がないと成長できない

先日、敷津子ども会の餅つき大会が行われた。地域行事の段取りや意味も、体験しながら覚えている。6歳の娘を連れて、地域行事に参加する機会が増えた。児童と一緒に校庭を駆け回り、すっかり「敷津の子」だ

 終業式の校長講話では「この1年の自分をふりかえること」を、子どもたちに求めた。ビジネスセミナーでも、よく最初に問いかけていた。

 「2012年12月25日の自分を思い出してください。どんなことに悩み、どんな目標があり、どんな状況だったか」

 1年前の私は、年明けから始まる校長研修に備えて期待と緊張でいっぱいだった。一方で、自営業の売上を落とすわけにいかない。1月からの生活も、4月からの着任後の生活も、まったく読めないまま仕事を詰め込んでいた。

 「1年前の自分と、今日の自分で『成長した』『うまくやれるようになった』と思えることを挙げてください」

 大人に呼びかけてきた言葉を、児童にもかける。小学生達を見ながら、「子どもはいいな」と思った。放っておいても体が成長する。運動能力が高まる。学校生活が後押しをして、ペースの差はあれ、必ず成長する。どの子にも、褒めるところが確実にある。

 大人は、そうはいかない。体力が持たなくなる。多忙になり、学ぶ時間が減る。そして、素直さが無くなる。「去年の自分を超えたい」という執念を持たないと、日々の仕事に埋没してゆるやかに衰えていく。

 「中途半端に食える時が一番危ない」と、自営業者の受講者にも自分にも言い聞かせていた。常連客を相手に、焦らなくてもそこそこ稼げる時に、危機感と成長欲を失う。

 進学塾で働いている時は違っていた。成長する子どもに負けまいと、必死で学ぶ。同じ教材でも、子どもが変われば同じ教え方は通用しない。予習で手を抜けば、隙を与えてしまい教室がざわつく。同じ悩みを、小学校の先生達からも聞いた。子どもが、大人を容赦なく鍛えてくれる。久々の現場で、改めて感じた。

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