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夫も上司も「教育」 多様化する女性向け企業研修 両立支援から活躍支援へ

2014/1/25

女性社員にキャリアアップを実現して働き続けてほしい――。そう考える企業が大胆な取り組みを始めている。社員の私生活にあえて踏み込んで、夫に意識改革を迫る動きもでてきた。
大成建設の「次世代リーダー育成研修」でグループごとに意見交換する参加者(東京都新宿区)

「夫婦だけでは家事の分担について冷静に話せない。言いたいことを会社が代弁してくれた」と大成建設東京支店に勤める小松祥子さん(32)は満足そうだ。出版社勤務の夫、大輔さん(32)と昨年秋、同社が社員を対象に開いた仕事と生活の両立に関する夫婦同伴セミナーに参加した。

セミナーの目的は夫の意識改革。大輔さんは、共働きを続ける場合と妻が辞めた場合の生涯の世帯年収の試算を講師から聞き「共働きのメリットを改めて感じた」という。将来の育児で妻にかかる負担も知り「毎日のちょっとした家事を自分がやれば、妻が働きやすくなることがわかった」と、掃除などに取り組む。

「女性が積極的に仕事を続けるには夫の協力が不可欠」。人事部の塩入徹弥室長は2012年9月にセミナーを始めた狙いを語る。企業が社員の私生活に立ち入ることには賛否両論ある。ただ日本では「家事や育児は女性の仕事」と考える夫は少なくない。その意識を変えることが女性のキャリア形成に必要、との考えが企業にはある。

工夫は夫への働き掛けにとどまらない。女性管理職育成の研修を、社員が若いうちから行っている。12年度から本格的に始めた「次世代リーダー育成研修」は入社5~7年目の女性から選抜し、指導する。管理職育成研修は同社では通常13年目前後の社員が対象。だが女性はその前に結婚や出産でキャリアが途切れる人も多い。「早期に研修をして、責任ある役割を担える人材を育てたい」(塩入室長)

研修を受けた名古屋支店の春日井沙千恵さん(30)は「会社の期待を感じた。将来も建設現場の前線で頑張れるかなという気持ちになった」と話す。管理職育成を目的に入社数年目の女性から少数を選抜、研修している例は少ない。

住友生命の育休中、育児中の社員向け昼食会には男性も参加(東京都中央区)

住友生命保険も、育休中で復職を目指す女性社員と、育児中の社員が交流する昼食会を10年から年2回開いていて、男性社員も参加する。「育児と仕事を両立することのやりがいと大変さを男性が理解しないと、本当の意味で女性が働きやすい職場にならない」(相川恵美人事室担当室長)との考えからだ。

営業人事室の湯浅元さん(30)は、社内婚で育休中の妻、生後11カ月の娘と一緒にランチ会に参加した。平日は妻に育児を任せきりで、妻の抱える悩みは分からない。「食器の消毒に気を遣いすぎなくてもいいことなど、『先輩』にアドバイスをもらった。子育ての不安を妻と共有する自信が出てきた」と話す。

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