街歩きに向く国内旅行ガイド
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情報絞ってビジュアルに
夏の旅行シーズンも目の前。観光名所や有名店を回る旅に代わり、最近増えているのが、その土地の風情をゆっくりと味わう街歩きの旅だ。そんな旅に向いた国内旅行ガイドが各社から相次いで登場し、売れ行きも伸びている。書店の売り場担当者におすすめを選んでもらった。
最近人気の街歩き旅行ガイドは、持ち歩きやすいようにやや小ぶりのサイズ。中身は女性誌の街歩き特集のような作りで、名所や名店を網羅するのではなく、想定読者に合わせ、女性ならカフェなど情報を絞り込んだ。旅行ガイドらしくないしゃれた装丁も特徴だ。
本によって内容は少しずつ違うが、今回上位に目立ったのが、地図を見やすく工夫し、散策コースや立ち寄り場所を例示した本。1位の「散歩マップ」はその典型で、散策のモデルコースに沿って街を紹介する。中高年の体力を考え、コースの高低差も示し、「心地よい疲れを感じる距離を念頭にコースを決めている」(山田尚志チーフプロデューサー)という。
5位の「地図で歩く」や7位の「お散歩地図」も地図を参照しながら街歩きするのに向く。ともに写真も豊富で見やすい。
街歩きガイドが増えるきっかけになったのが、2位の「ことりっぷ」。カフェやランチがおいしい店、雑貨店などをのんびり訪ねる女性を想定。情報量を同じ昭文社の「まっぷるマガジン」比で4分の1まで減らした。45巻(国内版)で計300万部超が売れた。
3位の「タビハナ」も同じ路線だ。今春出たばかりだが、ランチの推奨店は1人1000円台を基本とするなど、読み手の実感に合わせた内容が評価された。
ただ、はやりの店は名所や老舗店と違って入れ替わりが激しい。各社は情報の鮮度を保つため、1年半~2年ごとに改訂している。新しい店に行きたい人は発行時期を確認しよう。
名所周遊型は「るるぶ」1位
名所・旧跡を周遊する従来型の旅に向くガイドも尋ねた。情報満載で定評のJTB「るるぶ情報版」、昭文社「まっぷるマガジン」などが上位に入った。成美堂の「ベストガイド」なども含め、判型が大型だけに写真も大きく、出発前のプラン検討にも向く。自動車での旅行や大きめのかばんを持ち歩く人は、こちらを選ぶ手もある。
調査の方法 書店で買える国内旅行ガイドのシリーズが対象。首都圏、関西の大手書店の旅行書売り場担当者や関係者に、散策を中心にした旅と、名所を巡る周遊型の旅におすすめのシリーズを選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
芦村真実(旭屋書店本店)▽大曽根俊幸(有隣堂アトレ目黒店)▽親松直紀(紀伊国屋書店新宿本店)▽小林治(芳林堂書店高田馬場店)▽小柳茂(三省堂書店神保町本店)▽佐瀬裕美(ジュンク堂書店池袋店)▽柴田健太郎(ブックファースト新宿店)▽平柳雄理(リブロ池袋本店)▽堀浩行(丸善丸の内本店)▽向井瑞穂(紀伊国屋書店梅田本店)▽山内まゆみ(ジュンク堂書店三宮店)▽湯原清香(オンライン書店ビーケーワン)
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