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街歩きに向く国内旅行ガイド 何でもランキング 情報絞ってビジュアルに

2010/6/19 日本経済新聞 電子版

夏の旅行シーズンも目の前。観光名所や有名店を回る旅に代わり、最近増えているのが、その土地の風情をゆっくりと味わう街歩きの旅だ。そんな旅に向いた国内旅行ガイドが各社から相次いで登場し、売れ行きも伸びている。書店の売り場担当者におすすめを選んでもらった。

1
465ポイント
散歩マップ(成美堂出版)
人気の都市の4~6キロメートルの散策モデルコースを各巻30前後掲載。各コースは見開き地図で示し、名所や店などの立ち寄りスポットを見やすく配置。コース中の高低差を示すグラフも付けた。中高年を中心に幅広い層が対象。
「高低差が分かるのがポイント。距離や時間も一目で分かる。文章も読み応えある」(親松直紀さん)、「写真も大きく、雰囲気をつかみやすい」(山内まゆみさん)
(1)9巻(2)A5判(3)2009年(4)1050~1100円
2
455ポイント
ことりっぷ(昭文社)
20代後半からの旅慣れた女性の週末の旅を想定。バッグに収まる判型と軽さ、雑貨本風の装丁。情報を絞り、若い女性が好む手ごろな価格の宿や飲食店、物販店などに特化している。「中の写真もかわいい」(平柳雄理さん)、「昭文社らしく地図のクオリティーも高い」(大曽根俊幸さん)
(1)45巻(国内版)(2)A5判変型(3)2008年(4)840円
3
305ポイント
タビハナ(JTBパブリッシング)
写真や地図、イラストなどで直感的な分かりやすさを追求した。27歳女性が想定読者。目印や装飾に使えるシールや土産チェックシートなど、自分らしく作り込め、思い出として取っておける仕掛けを取り入れた。
「自ら書き込みでき、カスタマイズ可能な点が自分だけの旅を感じさせて良い」(向井瑞穂さん)、「カバーを裏返して付け替えると文字のない上品な柄だけのカバーになり、持ち歩きに向く」(芦村真実さん)
(1)21巻(続刊)(2)A5判変型(3)2010年(4)840円
4
240ポイント
ブルーガイドてくてく歩き(実業之日本社)
徒歩・電車の旅に必要な情報を網羅。宿泊予約やきっぷ手配の手順も詳述。目的地への道のりの雰囲気を知るコラムも。「地下鉄出入り口が地図に記載され便利」(柴田健太郎さん)、「店や名所がコンパクトにまとまっている」(小林治さん)
(1)32巻(他に大きな文字版4巻)(2)A5判変型(3)2000年(4)1029~1365円
5
205ポイント
大人の街歩き(成美堂出版)
情報満載のオーソドックスな作り。紹介する飲食店は地元の有名店、定番の店を選んだ。禁煙席の有無や席数、温泉の効能など細かなデータが売り。30代以上のゆとりの旅に向く。「時代背景など単なる観光ガイド以上の情報が充実」(親松さん)
(1)16巻(2)A5判(3)2006年(4)1050~1103円
5
205ポイント
地図で歩く(JTBパブリッシング)
地図が苦手な人も分かりやすいイラストマップ。散策に向くよう大判で軽い紙を採用した。地図は端から端まで徒歩20分を想定。全国6ブロックに分かれた編集部が独自の視点で掲載対象を選んだ。「地図を中心にしたレイアウトが見やすい」(小柳茂さん)
(1)15巻(国内版)(2)B5判変型(3)2006年(4)500~680円
7
190ポイント
お散歩地図(学研パブリッシング)
買い物、ランチなどテーマ別に編んだ地図で主要散策エリアを詳しく紹介。大ぶりな写真を多用した巻頭特集も充実。飲食・物販店の情報は絞り気味。「価格の割に内容豊富。地図も見やすい」(堀浩行さん)
(1)6巻(国内版)(2)B5判変型(3)2007年(4)500~650円
8
185ポイント
タビリエ(JTBパブリッシング)
30歳前後からの人を想定。小型の判型やかわいい表紙など持ち歩きたくなる装丁を追求した。カフェなど観光以外の情報も多めに収めた。写真も撮り下ろしが多い。「ページ下段のプチデータは、時間・料金などの情報が簡潔に載っており計画立案に役立つ」(山内さん)
(1)38巻(2)A5判変型(3)2006年(4)840円
9
180ポイント
散歩コース(山川出版社)
文章ぎっしりの昔ながらのガイド。各地域の現役高校社会科教師が編集・執筆し、歴史やいわれについての言及が豊富。シリーズには「紀ノ川」「近江路」など異色の顔ぶれも。「時代背景も説明してくれるので歴史好きに特におすすめ」(湯原清香さん)
(1)28巻(2)新書判(3)1993年(4)1230~1575円
10
135ポイント
楽楽(JTBパブリッシング)
名所・旧跡を中心に情報を網羅し、伝統的な旅行ガイド本を目指した。文章量は多めで、自分で旅程を組み立てられる人向け。50~60代を想定した。「手のひらサイズで持ち運び便利。写真がきれい」(佐瀬裕美さん)
(1)35巻(2)A5判変型(3)2008年(4)924円

最近人気の街歩き旅行ガイドは、持ち歩きやすいようにやや小ぶりのサイズ。中身は女性誌の街歩き特集のような作りで、名所や名店を網羅するのではなく、想定読者に合わせ、女性ならカフェなど情報を絞り込んだ。旅行ガイドらしくないしゃれた装丁も特徴だ。

本によって内容は少しずつ違うが、今回上位に目立ったのが、地図を見やすく工夫し、散策コースや立ち寄り場所を例示した本。1位の「散歩マップ」はその典型で、散策のモデルコースに沿って街を紹介する。中高年の体力を考え、コースの高低差も示し、「心地よい疲れを感じる距離を念頭にコースを決めている」(山田尚志チーフプロデューサー)という。

5位の「地図で歩く」や7位の「お散歩地図」も地図を参照しながら街歩きするのに向く。ともに写真も豊富で見やすい。

街歩きガイドが増えるきっかけになったのが、2位の「ことりっぷ」。カフェやランチがおいしい店、雑貨店などをのんびり訪ねる女性を想定。情報量を同じ昭文社の「まっぷるマガジン」比で4分の1まで減らした。45巻(国内版)で計300万部超が売れた。

3位の「タビハナ」も同じ路線だ。今春出たばかりだが、ランチの推奨店は1人1000円台を基本とするなど、読み手の実感に合わせた内容が評価された。

ただ、はやりの店は名所や老舗店と違って入れ替わりが激しい。各社は情報の鮮度を保つため、1年半~2年ごとに改訂している。新しい店に行きたい人は発行時期を確認しよう。

名所周遊型は「るるぶ」1位

名所・旧跡を周遊する従来型の旅に向くガイドも尋ねた。情報満載で定評のJTB「るるぶ情報版」、昭文社「まっぷるマガジン」などが上位に入った。成美堂の「ベストガイド」なども含め、判型が大型だけに写真も大きく、出発前のプラン検討にも向く。自動車での旅行や大きめのかばんを持ち歩く人は、こちらを選ぶ手もある。


表の見方 数字は選者の評価を点数化。(1)シリーズの6月19日時点での総巻数(2)判型(3)刊行開始年(4)価格
調査の方法 書店で買える国内旅行ガイドのシリーズが対象。首都圏、関西の大手書店の旅行書売り場担当者や関係者に、散策を中心にした旅と、名所を巡る周遊型の旅におすすめのシリーズを選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
芦村真実(旭屋書店本店)▽大曽根俊幸(有隣堂アトレ目黒店)▽親松直紀(紀伊国屋書店新宿本店)▽小林治(芳林堂書店高田馬場店)▽小柳茂(三省堂書店神保町本店)▽佐瀬裕美(ジュンク堂書店池袋店)▽柴田健太郎(ブックファースト新宿店)▽平柳雄理(リブロ池袋本店)▽堀浩行(丸善丸の内本店)▽向井瑞穂(紀伊国屋書店梅田本店)▽山内まゆみ(ジュンク堂書店三宮店)▽湯原清香(オンライン書店ビーケーワン)

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