眺めが素晴らしいタワー展望台
何でもランキング
老舗、集客へ改装に力
東京スカイツリー(東京都墨田区)の建設で、タワー展望台に改めて注目が集まっている。高所から見る景色やそびえる姿は非日常感を満喫できる。眺めが特に素晴らしいタワーを専門家に選んでもらった。
上位に目立ったのが、50年前後の歴史がある老舗タワーだ。1950年代、テレビ放送の開始とともに1位や6位の電波塔が完成。国内旅行が盛んになり始めた高度成長期の60年代には観光目的の2位、3位、8位が建てられた。いずれも一等地にあり、眺めがいいが、上位に入った理由はそれだけでない。改装で新しい魅力を打ち出している。
1位の東京タワーは2002年に展望台をリニューアルし、05年にはフードコートを新設した。2位の横浜マリンタワーは昨年、外観色を変え、レストランなどを整えた。3位の神戸ポートタワーは今年4月に改装、外に新しい電飾をつけ、室内は光ファイバーで星空を演出している。
残る老舗タワーもここ10年間に施設内容を刷新している。過去に行ったことがある人も、久しぶりに出かけると、新鮮な雰囲気を味わえるはずだ。
80年代末~90年代にも、バブル期のリゾート開発ブームなどを受けてタワーが各地に続々と誕生している。個性的なデザインのものが多く、ランキングでも10位内に3つ入った。
2012年春にはスカイツリーが開業する。現在、国内のタワーで展望台が最も高いのは東京タワーだが、スカイツリーは450メートルにできる予定で、最も高くなる。タワー全体の高さはスカイツリーが今年3月に東京タワーを抜き、すでに日本一だ。完成後は634メートルと電波塔が目的の建物では世界一になるという。
専門家に楽しむコツを聞いた。日没少し前なら刻々と移りゆく変化に富んだ景観を見られる。景色は天候にも左右されるため、天気予報も確認しておこう。
高さでお得な水戸芸術館塔
「何でもランキング」では9年前にもタワーを取り上げ、展望台の高さを入場料で割って、料金の割に高く昇れる施設を選んだ。地方のタワーが上位を占め、1位の水戸芸術館の塔の展望台は86メートルと高くないが、200円と料金が安く(現在も同額)、順位を上げた。
今回も地方の施設を推す人が多く、11位以下では、工場の夜景が美しい秋田市ポートタワーセリオン、展望台が回転しながら上下する宇和海展望タワーが人気だった。
調査の方法 専門家への事前調査で全国111カ所の候補を選出。その土地ならではの景観が楽しめるか、内外に遊べる場所が充実しているかなどを考慮し、専門家に選んでもらった。高層ビルの展望台は除いた。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
犬飼誠人(写真家)▽岩崎拓哉(夜景写真家)▽大槻厚(日本旅行赤い風船事業部担当部長)▽川北茂貴(夜景写真家)▽佐々木隆(レジャー・遊園地ライター)▽豊科穂(サイト「TOWER FANTASIA」管理人)▽西みつのり(サイト「タワーめぐりの旅」管理人)▽檜垣克己(JTB東日本国内商品事業部マーケティング戦略室長)▽丸田あつし(夜景写真家)▽丸々もとお(夜景評論家)▽村田博之(オールアバウト「名所・旧跡」ガイド)▽山本豊(近畿日本ツーリスト国内旅行部)
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