美肌だけじゃない、丈夫な骨作る立役者「コラーゲン」

鉄筋コンクリートを作るときは、先に鉄骨を組んでから周りをコンクリートで固める。実は骨も同じ順番だ。まずコラーゲンの骨組みができて、その周りにミネラルがくっついていく。

「骨組み作りで大事なのが、コラーゲン分子同士をつなぐ“架橋”と呼ばれる構造です」

コラーゲンは、繊維状の細長いたんぱく分子。この周りをただカルシウムで塗り固めても、強い骨にはならない。“筋交い”に当たる、コラーゲン同士をつなぐ構造が必要だ。それが架橋分子。

そして頑丈な骨組みが出来上がった上から、ミネラルの“塗り壁”で固める。これで骨の完成だ。

「もとになるコラーゲン分子は、肌にあるものと全く一緒。でも架橋で強度を高めることで、骨のような強い組織になるのです」

へぇ~、同じ素材が使い回されているのか。なんともエコな発想だが、それで「骨」と「肌」という全然異質な組織ができるのも驚きだ。

新しいタイプの骨粗鬆症が見つかった

ところで、骨がもろくなる「骨粗鬆症」という病気があるけれど、コラーゲンと骨粗鬆症は関係があるのですか?

「いい質問です。今まで骨粗鬆症は骨の中のミネラル不足と考えられてきましたが、最新の研究では、コラーゲンの側の問題で骨が弱くなるタイプもあることがわかってきました」

斎藤さんによると、問題が起きるのは架橋の部分。本来はピリジノリンという分子が橋渡しするのだけれど、高齢者やメタボ気味の人では、ペントシジンという悪玉の架橋が増えてしまう。これが増えた人の骨は、もろくて折れやすいそうだ。

コラーゲン分子をつなぐ架橋がサビると骨がもろくなる

「悪玉架橋を防ぐには、ビタミンB群などが有効。でもまずは、本来の架橋をしっかり作ること。それには運動です」と斎藤さん。運動で骨に衝撃がかかると、その刺激で本来の架橋生成が活発になるそうだ。

最後に気になる疑問。コラーゲンをとれば骨は強くなりますか?

「コラーゲン不足で骨が弱るわけではないので、とれば強くなるということはありません。ただ、食べて悪いものではないですから、とること自体はよろしいのではないでしょうか」

北村昌陽(きたむら・まさひ)
生命科学ジャーナリスト。医療専門誌や健康情報誌の編集部に計17年在籍したのち独立。主に生命科学と医療・健康に関わる分野で取材・執筆活動を続けている。著書『カラダの声をきく健康学』(岩波書店)。最新刊は『スゴイカラダ~あなたの健康を保つ驚くべきしくみ』(日経BP社)。

[『スゴイカラダ~あなたの健康を保つ驚くべきしくみ』の記事を基に再構成]

スゴイカラダ~あなたの健康を保つ驚くべきしくみ

著者:北村昌陽
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