かたまり ラジオが始まって大きかったのは、日常で辛いことがあっても、クッと1個こらえられるようになったこと。「ラジオで話せるから、まあいっか」って。
もぐら ネタにしてやろうって感じです。「酒ぶっかけられたから、もう、みんなに言っちゃいます」みたいな(笑)。世間に告げ口しちゃおうって(笑)。
かたまり 僕がお笑い好きになったのも、『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)がきっかけですし。
もぐら 僕は1人暮らしを始めた22歳から30歳手前まで、家電がじいちゃんにもらったラジオしかなかったんですよ。しかもTBSしか入らなくて(笑)。『生島ヒロシのおはよう一直線』や『森本毅郎・スタンバイ!』を、バイトから帰ってきた朝に毎日聴いてましたね。深夜ラジオは休みの日しか聴けなくて、「今日は『おぎやはぎのメガネびいき』だから木曜だったのかー」って。
かたまり だから、ラジオにゲスト出演するときも楽しいですね。憧れの爆笑問題さんに『カーボーイ』に呼んでいただけたときは、夢みたいで、芸人人生で1番うれしかったです。
もぐら 『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)も貴重でしたね。伊集院さんと3人でじっくりお話しできる機会なんて、ないんで。
かたまり 『踊り場』にゲストさんが来てくれるときもめちゃめちゃ楽しい。基本、岡野陽一さんしか来ないけど(笑)。
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『踊り場』は4月から、『マイナビ Laughter Night』内から独立して、放送枠を移動した。継続できるかの危機感は常にあるという。
もぐら 改編期どころか、いつ終わるか分からないって言われて始まってますし、今はスポンサーさんがゼロ社なんです。
かたまり もう、祈るような気持ちです。
もぐら 『踊り場』を続けたいのはもちろんですが、生放送への憧れもありますよ。
かたまり 生でメッセージが返ってくるとか、その臨場感は全然違うと思うんで。でも夜中だと、めっちゃ眠いんですよね。それに耐えられるか……。
もぐら 『大沢悠里のゆうゆうワイド』(TBSラジオ)を聴いてきたから、いつか「お色気大賞」みたいなこともやってみたいです。あとは、朝8時から12時間ぶっ通しで、J-POPをかけさせてもらって、デート中にどのタイミングからでも聴ける番組をやりたい(笑)。
かたまり 僕も曲かけたい。山下達郎の『LOVELAND, ISLAND』とか。ラジオっぽいじゃないですか。今まで特番で2回しか曲振ったことないんで。30分だと曲はかけられないんですよね。

マイク1本、声だけでコミュニケーションするラジオは、タレントとリスナーの双方にとって親密度の高いメディアだ。再評価が進むラジオの魅力を、人気パーソナリティーたちに聞いた。
●草彅剛×香取慎吾(前編)「もしラジオがなければこの3年は…」
●草彅剛×香取慎吾(後編)「想像かき立てる見えないラジオの良さ」
●ナイツ(漫才コンビ)「ラジオ生放送、週15時間半の秘訣」
●ファーストサマーウィカ「深夜ラジオ、下ネタは知的に」
●ニューヨーク「YouTubeラジオの先駆者」
●山崎怜奈(乃木坂46)「ラジオの良さ、自分に似ている」
●空気階段
●パパラピーズ「YouTuberがラジオで戸惑ったこと」
●工藤大輝(Da-iCE)
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2020年12月号の記事を再構成]