■ギターへの興味は世代も性別も関係ない

――ところでロック音楽の低迷や若者のギター離れがいわれています。ストリーミング(逐次再生)配信が主流になるなど音楽消費が様変わりしていますが、ギター市場に影響はありませんか。

6月15日に開かれたフェンダーの最高峰のギターの祭典「フェンダー カスタム ショップ エクスペリエンス」。卓越した職人のギター展示やライブを楽しもうと、1万2000人が訪れた(東京都渋谷区のラフォーレミュージアム原宿)

「ギター離れ? ギタービジネスは死に絶えた、などといっている人がいるんですが、とんでもない。真実からかけ離れています。これほど成長が楽しみな時代はありません。我々にとってはかつてない推進力となるトレンドが起きています。まずはストリーミングによる音楽を聴く人の激増です。これまで音楽を聴かない人たちも聴くようになった。これは大きい。昨年はストリーミングを利用した人が3億人以上になったといわれます。実はその半分ほどがギター主導の音楽を聴いているのです。ですからギターへの関心が高まりますよね」

――ライブの動員数も増えています。

「まさにそれが2つ目のトレンドです。興味深い統計があります。世界最大のイベントプロモーション企業、米ライブ・ネーションは毎年増収を続け、2018年だけでも9300万人を音楽フェスやライブに動員しました。それがギター市場を後押ししています。音楽はスポーツに似ています。観客にとってステージのアーティストはヒーローです。敬服し、憧れ、同じように弾きたくなる。15年の調査で、アメリカの主要なステージの80~90%でフェンダーのギターとアンプの使用が確認できました。ライブの盛り上がりはフェンダーへの後押し、業界全体への後押しです」

――実際どんなお客がギターを求めているのでしょう。

「フェンダーの使命は、そのプレーヤーが音楽の旅路のどの段階にいるのであれ、きちんとサポートすることです。まずは頂点にいる人々。日本ですとCharさんやINORANさん(LUNA SEA)のようなキャリアも長い卓越したプレーヤーと若手プレーヤーです。次のカテゴリーは会社のバンドや仲間のバンドでギグする、ギグプレーヤー。そして趣味でとにかく弾くのが好きという人。うまくなりたいという人。その後が初心者でギターを初めて手に取ったという人。我々が売るギターの45%が初心者向けなんです。そして最後のカテゴリーは、弾きたいと夢を持っている人です」

――日本市場は好調ですか。

フェンダーのロゴはスパゲッティロゴと呼ばれる柔らかな曲線が特徴だ。コール社長はバンドのリーダー兼ボーカリストとして作詞・作曲も手がけ、アメリカでライブツアーも経験している

「米市場は成熟していますが、日本はフェンダーミュージックの前身である日本法人を設立した14年から5年間、堅調に2ケタの伸びを維持してきました。私がアジア・パシフィック地域を統括していますが、オーストラリアや中国でも着実にビジネスは拡大しています」

「モノ消費に関心が薄いといわれるミレニアル世代もどんどんお客として市場に入ってきています。ギターへの興味は世代も性別も関係ありません」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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