――カスタム ショップのギターはどんな人が求めるのですか。

「まずはプレーヤーです。愛用するギターの弦がステージの途中で切れてしまっても同じように弾きたい、と音の一貫性を求める人たちです。ギターは時間の経過とともに音がリッチになっていきますから。続いて最高の材料で作るベストなギターを求める人たち。コレクターもいます。投機というよりは家で飾っておくためだけに集める。古びたように見えるヘビーレリックのみを収集する人も、まったく手が触れられていない、傷のない新品だけという人もいます」

■「ゴローズ」のジュエリー、傷や汚れで自分を再確認

――細部にわたってお客の要望にこたえて手を加えたりビンテージ加工をしたり。ファッションと似ていますね。コール社長は元ラルフローレン・ジャパン社長を務められるなど、いくつものラグジュアリーブランドでキャリアを積まれました。音楽とファッションとに共通するものはありますか。

「プロでも初心者でも、プレーヤーが音楽の旅路のどこにいるのかを知り、それぞれのレベル、個々の欲望に適切なツールを与えること。それがフェンダーの使命です」。壁面に飾られているのはギターのボディー。日本人アーティストがサインしている

「そもそもファッションも音楽も自己表現です。我々が服で自分らしさを演出するように、作曲や演奏は我々自身が何であるかを体現することなんですよ。長年愛用したギターはプレーヤーの分身です。10年はき続けているジーンズが年数を重ねて少しくたっと摩耗して、自身の一部のようになっていくような感覚と似ているところがあります。私も20年自分と歩みを共にしてきた大好きなジーンズがあります。大切なものですから、これとまったく同じジーンズを3本作ってもらえればいいなあと思います」

――使い込んだ跡は自身を確認するものでもあるのですね。コール社長はゴローズのシルバージュエリーがお好きだと聞きました。日本のインディアンジュエリーの草分け、高橋吾郎さんは伝説の職人ですね。

大切にしている指輪2種。パワーをくれるライオン(右)と故郷の地形がデザインされたもの(左)。手前は世界中にファンを持つ、ゴローズのネックレス。肌身離さずつけている。「ジュエリーは自分のルーツや立ち位置を確認するもの」

「ゴローズは世界で知られていますが、私が知る限りでもっとも『本物』のクリエーター、デザイナー、アーティストです。感性もデザインも大好きです。彼はネーティブアメリカンに受け入れられた最初の日本人であり、純粋な感性を持ち続け、どんなに事業拡大の機会があろうと店は増やしませんでした。彼の死後も1店舗だけです。私は1998年、たまたま日本を旅行していたときに、東京・原宿の一角で行列を見つけてゴローズを知りました。このネックレスは8年ほど前に手に入れたものです。付けているとその重さによって自分とともにあると感じられ、傷や汚れが自分を思い起こさせてくれます。ゴローズのジュエリーをいくつか持っていますが、選ぶというより自分がジュエリーに選ばれたように感じます。吾郎さんはこうおっしゃったんです。新品のジュエリーにあなたの人生を刻み込むのがあなたの仕事ですよ、と」

――ほかにも思い入れのあるファッションアイテムがありますか。

「スタイルとしてはジーンズが多いですね。足元はバイクが趣味ということもあって年中ブーツです。大好きなブランドがオーストラリアのRMウィリアムズのもので黒やブラウン、エレガントな革のものなど12足を持っています。乗馬にもぴったり。さらに脱ぎ履きがしやすくて、靴を脱ぐ日本で暮らすには便利なんです」

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