共働きの子育て、学生がインターン体験 働く現実学ぶ

2019/1/15
企業のインターンシップで社員の自宅を訪問し子育てを体験する学生(京都府京田辺市)
企業のインターンシップで社員の自宅を訪問し子育てを体験する学生(京都府京田辺市)

育児中の共働き家庭で生活体験をする学生が増えている。仕事と育児の両立の実態を知り、出産・育児を経て働き続けることへの不安を解消。性別役割分業の意識が薄れ、多様な働き方が広がるなか、キャリアを模索する男子学生や若手社会人らの利用も目立ってきた。

「今日は機嫌良く遊んでいますね」。2018年12月のある月曜日、京都府内に住む中川潤子さん(29)の自宅を午後6時すぎに訪ねると、男女2人の大学院生が夕食作りを手伝い、中川さんの2歳の長女と遊んでいた。

家事・育児分担の現実を知る

大阪ガスの「ワーク&ライフ・インターン」の一環。同社秘書部で時短勤務する中川さんの家での子育て体験だ。共働き家庭で家事・育児をどう分担し、仕事と両立しているか理解を深める。学生は帰宅した中川さんと最寄り駅で待ち合わせ、一緒に車で長女の保育園まで迎えに行った。帰宅後は子どもの面倒を見つつ、夕食を準備。食事をしながら、育児や仕事、キャリアについて質問を繰り返す。

子育て中の共働き家庭の実態を知る機会は少ない。体験した京都大大学院1年の女子学生は「帰宅して1時間くらいで子どもの相手をしながら夕食の支度をするのは本当に大変。仕事と家庭の両立は忙しそうだけど、子どもの成長を見るのは仕事のやる気になる。忙しさ以上に楽しいことがあると感じた」と話す。

大阪ガスは14年度から、企業向け研修などを手がけるスリール(東京・港)と組み、同制度を始めた。出産後も働き続ける社員が増える一方で、就職時の印象と入社後の生活とのミスマッチをなくすことにつなげる。18年度の参加者は育児の講習を受け、4回の家庭訪問を経験。19年1月の最終報告会では育児と仕事の両立で、同社にあるといいと考えた仕組みを提案する。

受け入れた中川さんは「フルタイムで働いてきた時の自分を思い出すともどかしかったが、今の自分だからできることがある。学生と話すと自分のキャリアを考え直すきっかけになる」という。

同社にはこのインターンで生活を知った上で入社した人もいる。エンジニアリング部の吉田匡孝さん(25)は17年に子育て家庭を訪問した。「職場と家庭の両方を知り、働くということがよくわかった。入社を決める最後の一押しになった」と話す。