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仕事も育児も諦めない 女性部長の保活・復職のリアル

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子どもが生まれるまでは、仕事に目いっぱい没頭できた。産休・育休中は、育児に専念することができた。それが……いざ仕事復帰をすると、仕事と育児の両方が日々降りかかってくる。時間は同じ、一日24時間。どちらも大事、どちらも最優先。そんなとき、皆さんは何を選び、何を諦めているのでしょうか。バリバリでもゆるゆるでもない働き方のワーママに、リアルな体験、心の内を語ってもらいました。

◇  ◇  ◇

お話を聞いたのは渋谷区在住の日根さん。日根さんは東証一部上場企業の管理職として、産育休と仕事復帰を経験。やっと見つけた保育園に子どもを通わせてみたら不安を覚え、育休を延長して再度、保活をするという選択もしました。管理職ならではの悩み、時短のための思い切った決断など、日根さんが感じてきた「もやもや」と「夢」を紹介します。

【ワーママ】日根麻綾さん
年齢:37歳
業種(職種):エムティーアイ ルナルナ事業部 事業部長
住まい:渋谷区
子どもの年齢:2歳
仕事と育児をしていくために、私が選んだもの、諦めたもの
【選んだもの】育児と仕事、どちらかも「諦めない」こと。通勤時間を無くすなどしてどちらも全力で
【諦めたもの】夫と二人で遊びに行く時間、「インスタ映え」育児

産休・育休中も事業部長を交代したくなかった

大学を卒業し、商社にSEとして入社しました。高学歴の男性ばかりのなかで、一人でピンクの靴で出社したりしていて、かなり浮いた存在だったと思います。大きな会社だったので「駒のなかの駒」という感じでした。もう少し経営が見える規模で、できればIT業界で働きたいと思い、転職先を探しました。そして入ったのが今の会社です。

仕事はとてもやりがいがあり、時間を忘れて働いたり、飲み会に出たりしていました。このころサーフィンに打ち込んでいたので江の島に一人暮らしをしていましたが、週の半分ほどは終電を逃して帰宅できなかったので、会社のすぐ近くに引っ越しました。他にも友達と遊んだり、楽しいことが大好きで、一日が36時間あったらいいのにと本気で思っていました。

結婚は「縁があれば」くらいに考えていたのですが、付き合って4年ほどで今の夫と結婚しました。私は子どもができるまでは事実婚でもいいかなと考えていたのですが、夫と話し合って入籍することに。幸いなことに、すぐ子どもにも恵まれました。

妊娠が分かったとき、管理職として働いていました。部下を含めて周りにママ社員は何人かいて、育休をしっかり取って時短勤務で復帰して……というケースがほとんどだったのですが、管理職で出産、復帰した社員はまだいませんでした。そのような背景もあり、事業部長として産休に入るべきか、役職を降りるべきか、その場合は後任をどうするのか、いつ復帰するのか……など一人で悩みに悩んだ妊娠初期でした。

結局、事業部長のまま産休・育休に入りました。事業にとても思い入れが強く、まだやりたいことがたくさんあって……。復帰したときに、違う部署から今の部署の活躍を見るのは、ちょっと耐えられないかなと思ったのです。妊娠報告をまず社長にして、そのときに早期復帰するから事業部長を続けたいということも伝えました。社長は「やりたいようにやればいい。それに必要なサポートは全部、人事部に言って、制度をつくってもらうように」と言ってくれました。それが後の人のためにもなるから、と。この一言がすごく心強かったです。

保育園を決めていざ復帰。預けてみたら聞いていた話と違って…

産・育休中は、一番任せられるメンバーを副事業部長にしつつ、判断が難しいものは上司である役員にもお願いをしました。上からと下からで真ん中をフォローしてもらう形です。産休前はちょうど部下の評価の時期だったので、直前まで仕事をし、36週途中で産休に入りました。38週で出産したので10日ほどは出産に向けてゆっくりしたり保活に集中したりすることができました。

出産が5月末だったので、認可園・東京都認証園を狙うとなると年度初めの翌年4月までは入園が難しい状況でした。3~4カ月で仕事復帰したいと思っていたので、無認可園を探し良さそうなところが見つかったので、10月入園で予約しホッとしました。

いざ10月の復帰を決めて、一時預かりとして9月にその園に子どもを預けてみたところ、聞いていた話と全く違って衝撃を受けました。思えば、見学のときに保育しているところを見せてもらえなかったのです。「子どもたちがお昼寝をしているから……」と、事務室で園長先生と面接をするだけでした。もしかしたらそれ自体は珍しいことではないのかもしれませんが。

面接では、子ども一人当たり保育士が何人いるのか、セキュリティーなど、保育園選びのチェックポイントに沿って色々と話を聞きました。でも実際に預けたら状況が違って……。例えば、園長先生が産休に入っていたので代わりの施設責任者は誰なのか聞いても、誰も答えられなかったり、子どもを引き取るときの身分確認がまったくなされなかったり。身分証を確認します、と決まりにはあるのに、私が身分証を提出しなくても誰も気づかない。ということは、別の人が引き取りに行っても子どもを渡してしまうのかなと不安になりました。決定的だったのは、保育士さんたちが全員ものすごくイライラしていたことです。0歳から5~6歳まで同じ部屋にいて、預けたとき娘は3カ月だったのですが、泣いているのに抱っこしてもらえずハイローチェアにベルトをしっかり締められていました。誰も話しかけてくれずモノのように扱われていて……。きっと保育士さんの労働環境も大変なんだろうな、と。

「早く仕事はしたい。でもここに預けてまで復帰を早めることに意味はあるのだろうか…」。悩んで、まずは安心して預けられる環境を整えることが、しっかり働くことの前提だと考え、もう一度保育園を探すことにしました。いったん復帰予定を会社に伝えていたので、事情を話して延長希望を伝えると、ありがたいことに理解を得ることができました。

年度途中の再度の保育園探しは難しいだろうと覚悟していました。託児所一覧の紙を手に、上から順番に調べていきました。いわゆる保育園に限定せず、むしろ前回のことがあったので、できれば少人数の施設で、親のように接してくれるところがいいなと思っていました。そうしたら近所で、とても良さそうな家庭内保育を見つけて、一晩かけてその家庭内保育のブログを過去分も遡って全部読んでみたところ、ものすごく愛情をこめた保育をしていることが伝わってきました。そこで次の日にダメ元で連絡してみたところ、1人しか預からない0歳児がちょうど空いたところでした。本当に幸運でした。次の年度まで、そこに半年だけお願いすることにして、無事に仕事に復帰することができました。

 次年度の認可園に申し込む前に、引っ越しもしました。住むことに決めたのは職場からすぐ近くのマンション。先輩ママからも「ワーママは時間との勝負だから」と聞いていたので、仕事時間も睡眠時間もなるべく減らしたくないと考えた結果、通勤時間をほぼゼロにできないかな、と思ったのです。うちは別々の職場に勤める共働き夫婦なので、夫の通勤もあるのですが、家については私を優先してもらえたのは本当にありがたかったです。

夫婦の調整はそれぞれの家庭の事情もあるのでなかなか難しいかもしれませんが、お互いがよいなと思えるなら職場の近くに住むことが私の一番オススメしたい時短テクニックです。保育園のお迎えも10分前に会社を出れば間に合いますし、会社の飲み会も子どもを寝かしつけた後のお世話を夫にバトンタッチして、二次会から参加したりしています。子どもが熱を出してもすぐに帰れるし、忘れ物もすぐ取りに行ける。保育園の用事などがあっても、休みを取らず少しの中抜けで参加することができるなど、会社の制度が柔軟なことにも助けられて臨機応変に働くことができています。

管理職として育休を取り、延長願いも聞いてもらえたことにとても感謝していた一方、事業部長の自分がいない状態でも、仕事が回っている状態に、正直少し寂しい気持ちもありましたね。必ずしも私でなくても大丈夫なんだな、それなら別の人にお任せして私は他のところに復帰するのもありなのかな、と弱気になったことも。でもその気持ちを率直に副事業部長に伝えたところ「必ず戻ってきてほしい。みんな待っている」という言葉をもらって。とても励まされましたし、復帰して期待に応えたいと思うことができました。

夫は休日や夜にも仕事が入ることがあり、基本的には私が娘のお迎え担当なので、仕事の制限は常に感じています。特に医療機関とのお仕事では、医師の先生たちが診療を終えてからお話をしなければいけません。予定していた時間に診療が終わらないことや、5分の約束が打ち合わせが盛り上がって1時間のお話になってしまうこともあります。大切な会食に私だけが出られず、悔しい思いをしたこともありました。

そこで、どうしても子どものお迎えやお世話が難しくなってしまう会食や地方での学会・講演などの場合は、夫とカレンダーを共有して事前に調整してもらっています。

誰かをサポートした経験は必ず自分に返ってくる

私の周りにはママ社員も多く、制度の溝を知る機会が多くありました。まだ自分が結婚する前、それらの声を資料にまとめて人事に制度変更・新設の提案をしたところ、1年かけて人事部が検討を重ねて実現してくれました。

例えば時短勤務とフレックスタイムの併用や、子ども関連での1時間以内の遅刻・早退などは、申告すれば勤務扱いとなる「チャイルドタイム」という制度、一時保育や延長保育、病児保育、ベビーシッター代などの一部助成などが実現しました。育児だけでなく介護をしている人も、月の半分まで在宅での仕事ができるような制度もあります。また搾乳の場所に困った際に使用できる「ウェルネスルーム」という部屋をつくってもらいました。そこにはベッドもあるのですが、ママだけでなく、つわりや生理痛、風邪など体調が悪い社員が、1時間はそこで休めるようになっています。

チャイルドタイムは例えば朝、子どもがぐずって保育園に連れて行くのが遅くなってしまった…という場合にも使えます。そのような出来事の積み重ねで、じわじわと勤務時間が減ってお給料にも影響が出ると、徐々に心理的な負担にもなると思います。自分が就業規則通りに働けていない、と罪悪感をもったり、子どもに「早くして!」と当たってしまったり……。でも業務でしっかりとパフォーマンスを発揮できていれば、そのような細かな時間にあまりこだわらなくてもいいのではないかな、と考えています。

ただ年に数回ある深夜の対応など、どうしても子どもがいない人に負担がいってしまう部分があることは、チームをまとめる管理職として申し訳なく思いますし、なるべく従業員・部員の年齢構成などに偏りがでないように他部署とも調整しながらバランスを取っています。育児だけでなく介護も含め、仕事に100%コミットできない状況はいつ自分の身に起こるかは分からない。そのときに、誰かをサポートした経験が必ず自分に返ってくる。だから助け合いと感謝の空気を大事にしよう、ということは常々部下に話しています。私も産休に入るまでは、何でも自分がやってしまうタイプでした。でも産休に入って、メンバーの成長に気づかされ、最近では自分がやらなくても回ることは、基本的に任せてみることにしています。組織全体として、一人に依存しないスタイルになっていくといいなと感じています。

(取材・文 砂山絵理子=日経DUAL編集部)

[日経DUAL2018年9月21日付けの掲載記事を基に再構成]

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