TWICE ジヒョ エネルギーを与え続ける存在に
メンバーの素顔(5)
TWICEの中でも、随一の歌唱力を誇るのがリーダーのジヒョ。彼女の存在が、TWICEの楽曲にアーティストとしての深みを与えている。リーダーとしても、いつもハツラツとした明るさでグループをけん引し続けてきた。また以前に比べて少し焼けた肌も、TWICEが新たな領域へと踏み込んだことを物語っている。

「もともと日焼けをしてみたいとは思っていたんですけど、なかなか機会がなくて。でも、韓国で2018年7月に夏をイメージしたアルバム『Summer Nights』をリリースし、ブルドーザーをイメージしたパワフルな日本初の1stアルバム『BDZ』が出るので、今ならいけるんじゃないかなって(笑)。日本での活動も2年目に突入したので、ビジュアルでも新しいTWICEを楽しんでもらえるとうれしいです。
この1年で感じたのは、『本当に日本の皆さんに愛してもらえている』ということ。日本滞在時のホテルではミナちゃんと同じ部屋になることが多いんですが、一緒にテレビを見ていると私たちが出演する『ワイモバイル』のCMが何度も何度も流れてきて(笑)。そんな時は2人で顔を見合わせたりしながら、少し恥ずかしくもあり、でもうれしくもある不思議な気持ちになってます。
そうやって少しずつ実感はできているんですけど、やっぱり『まだまだ足りていない』と思っちゃうんです。まだファンの皆さんと日本語で円滑にコミュニケーションをとれないですし、ライブの経験自体もさほど多くない。今はいろんなことを学びながらコツコツと経験値を積み上げていっている感覚です。
ライブでいうと、大きいステージももちろん緊張するんですが、逆に小さい会場のほうがもっと緊張しているんですよ。客席との距離が近くなる分、お客さんの表情も全部見えちゃうので(笑)。今後はライブの本数も増やしていきたいし、いろんな会場でやってみたいですね」
日本語ってチャーミング
日本語が上達するにつれて、直接的なメッセージである「歌」を届けたいという気持ちがより強くなっているという。
「私はTWICEの中でも歌うパートが多いほうなので、その責任やプレッシャーは感じています。1人でステージに立って歌う時は、楽しむことに重点を置いていて。一方、メンバー全員で歌う時には観客の皆さんにもっと楽しんでもらえるよう、『私たちのエネルギーを伝えたい』という気持ちを大切にしながら歌っているんです。
そういう意味では、『BDZ』にはいろんな曲が入っているので気に入っています。特に『Be as ONE』は、ここまでバラードらしいバラードはTWICEでも初めてじゃないかな。ファンの方に対する私たちのメッセージも入っていて。レコーディングをしながら、『これをライブで歌ったら、私たち感動して泣いちゃうかもね』って話していました(笑)。
あと今、本当に日本語がうまくなりたい気持ちが強くて。日本語のイントネーションって、とってもチャーミング。愛嬌があって、すごくかわいく感じるんですよね。ちょうど昨日、新しい言葉をまた1つ覚えちゃいました。『こらこら!』って。これからの生活の中でたくさん使えそうです。誰に多く使えそうかって? たぶん…モモちゃんですかね(笑)」
TWICEが思い描くグループ像とはどんなものなのか。世界でもっと活躍したいという思いもあるだろう。けれど、彼女たちの目の前にはまず、「聴いてくれる人たちの笑顔」があるようだ。
「もっと有名になりたいとか、そういうことよりも…『TWICEを好きでいてくれる方に、可能な限りこれからもたくさんお会いしたい』、それがメンバー全員の思いなんです。
韓国でデビューした時にファンの方からたくさんお手紙をいただいたんです。『TWICEを見ていると元気になる』『これまで辛いことがたくさんあったけど、TWICEのおかげで力をもらった』などなど。それらを見て、逆に私たちが勇気をもらい元気づけられました。
それもあって私たちの目標は、歌を聴いてくれるリスナーの方にエネルギーを与える存在であり続けることなんです。なので、TWICEの歌やパフォーマンスで、皆さんも辛いことにも打ち勝ってもらえるとうれしいです」
(ライター 川上きくえ)
[日経エンタテインメント! 2018年10月号の記事を再構成]
※11月2日(金)から11月10日(土)まで日替わりでメンバー9人の個別インタビューを掲載します。11月7日(水)はミナです。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。