グラビアアイドル界に地殻変動が起きている。AKB48メンバーが表紙を席巻した時代を経て、雑誌モデルでもある「モグラ女子」がブレイク。さらにAKBグループや坂道シリーズ以外のアイドルグループのメンバーが台頭、王道の童顔・巨乳のグラビアアイドルも復活している。モデル系、アイドル、グラビア系の3大勢力が人気を競っている。

かつて2000年代前半にはMEGUMI、小倉優子、熊田曜子、安田美沙子、若槻千夏など、ソロのグラビアアイドルが活躍していた。だが、AKB48が国民的アイドルになると雑誌グラビアの分野も席巻して、ソロのアイドルはスター不在の時代が続いていた。しかし、最近はグラビアで活躍する女性タレントに、従来と異なる傾向が見られるようになってきた。
若手女性タレントが表紙を飾る主な週刊誌・週刊マンガ誌に過去1年で登場した回数のランキングを集計した。
この1~2年は、「坂道シリーズ」の乃木坂46や欅坂46が人気を集め、メンバーのソロ写真集が相次いでヒットしている。だが、坂道シリーズのグループに所属するメンバーは、写真集など限られた媒体で水着を披露することになっている。そのため、水着の女性タレントが表紙を飾ることが多い週刊の雑誌では、乃木坂46がランキング4位、欅坂46が8位、メンバーでは乃木坂46の白石麻衣ら3名がトップ12までに入っているが、そこまで坂道シリーズ一色にはなっていない。

そんな中で浮上してきたのが、「48・46」以外のアイドルグループのメンバー(ランキング1位の浅川梨奈など)と、ファッション雑誌の専属モデルを務めると同時に男性向けの雑誌グラビアでも“二刀流”の活躍を見せる「モグラ女子」と呼ばれる人たちだ。
「モグラ」勢では、表紙ランキング入りの、久松郁実(3位)、武田玲奈(5位)、ドラマ『コード・ブルー』で女優としても注目を集める馬場ふみか(12位)のほか、インディードのCMに出演中の泉里香やレイクのCMに出演する朝比奈彩らがシーンをけん引する。

あどけなさを残す童顔とプロポーションの良さのギャップを魅力とする、ソロの王道グラビアアイドルも、再び増えてきた。
2位は昨年グラビアデビューしたばかりの小倉優香。10位に入った大原優乃も、『妖怪ウォッチ』のエンディングテーマ曲も歌ったDream5の元メンバーで、16年12月にグループが活動終了した後に、17年グラビアデビュー。18年3月1日に発売された初写真集『ゆうのだけ』は発売前から予約が殺到して重版が決まった。
(ライター 高倉文紀)
[日経エンタテインメント! 2018年5月号の記事を再構成]