日本酒の人気ブランド「獺祭(だっさい)」。その蔵元、旭酒造(山口県岩国市)の桜井博志会長は、伝統的な杜氏(とうじ)に頼らない酒造りを確立、最先端の醸造技術を駆使し、日本酒ファンをうならす純米大吟醸を完成させた。酒造りにとどまらず、装いでも独自のこだわりを貫く桜井会長に聞いた。
後編「海外なら和服で決まり! 『見せるべき姿』を意識」もあわせてお読みください。
――服装で心掛けていることは何ですか。
「日本のビジネス社会からすると、少し違和感のある服装をするようにしています。その立ち位置が据わりが良い。あくまでクラシックなファッションマナーに沿って、しかも一般のビジネスパーソンが着ない格好です」
――確かに金融界などでは見られない装いですね。
「大企業の中では自己規制があると思います。ありがたいことに私は中小企業のおやじですから、逆に、同じ姿ではないことを要求されていると思いますね。これは獺祭の立ち位置とも一致するのです」