スーツスタイルを仕上げる靴の基本として、次の5点を覚えておいてください。
(1)紐あり
(2)内羽根式(靴紐を通すための穴をあけた「羽根」が甲革と一体化した形状)
(3)すんなりとした形
(4)ラウンドトゥ(つま先が丸みを帯びた形状)
(5)表革
必ず1足持っておきたいのは黒表革のストレートチップ(つま先に横一文字のラインが入ったデザイン)。2足目にお薦めなのはダークブラウンのプレーントゥ(つま先に何も飾りがないデザイン)です。この2つで、スーツスタイルはだいたいカバーできます。
あわせてベルトも同じ材質と色でそろえておきましょう。靴とベルトがそろっていないとちぐはぐな印象になってしまうからです。

5. 小物
スーツの達人が決してしないこと、それはスーツのシルエットを崩してしまうような小物を使うことです。ここでいう小物とは、靴や財布、名刺入れ、手帳やスマートフォン(スマホ)、ビジネスバッグなどのことです。
できる紳士が持つ財布は極めて薄く、必要な額の紙幣と数枚のカードしか入っていません。領収書やポイントカードでパンパン、ということは決してありません。ですから、スーツの内ポケットに入れていても、シルエットは崩れません。
当然、やたらにポケットにものを突っ込むこともありません。また、大きな肩当てのついたショルダーバッグやバッグパックも持ちません。そうしたカバンはスーツの肩や背中を傷めてしまうからです。
◇ ◇ ◇
成功している人にはこうしたルールを守っている方が多いように見受けられます。
いいスーツを着ているからそこまで気を回すようになるのか、あるいはきちんとした着方を心がけてきたから、成功していいスーツが着れるようになったのか――。ニワトリと卵のようですが、筆者の経験では後者のケースが優勢のように思えます。
スーツはもともときちんとしたビジネスへの姿勢を表すために着るもの。ほとんどの方がそう思って着ているはずです。であれば、その効果を十分に上げた人が成功するのは当たり前のことなのです。

「できる男のスタンダード講座」記事一覧
SUITS OF THE YEAR 2021
アフターコロナを見据え、チャレンジ精神に富んだ7人を表彰。情熱と創意工夫、明るく前向きに物事に取り組む姿勢が、スーツスタイルを一層引き立てる。