BMIは体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割ってはじき出す指数だ。海外でも体格の判断基準として使われる。国内では日本肥満学会がBMIが22の場合を最も病気にかかりにくい「標準体重」とし、25以上を肥満に分類している。
厚労省は「日本人の食事摂取基準」を5年ごとに改定している。同省の策定検討会は14日、来年から始まる2015年版報告書をまとめた。この中でひときわ目を引いた項目が「エネルギーの指標」。冒頭で「エネルギー摂取量と消費量のバランスの維持を示す指標としてBMIを採用する」と明記した。
これまで厚労省の食事摂取基準では年齢や活動レベルをもとにした「推定エネルギー必要量」を1日の食事摂取量の目安としてきた。例えばデスクワーク中心で通勤や買い物をする身体活動が「普通」に分類される18~29歳の男性は2650キロカロリー、女性は1950キロカロリーといった具合だ。
ただ「体格の違いを考慮していなかった」(厚労省がん対策・健康増進課)。このため、肥満形も痩せ形も同じカロリーをとることになっている。個人によって体格などが異なるのに一律にカロリーで摂取基準を示すのは無理がある、との問題意識が今回の見直しの根底にある。
BMIを使うことで体格の変化に着目し、指数を維持するために食習慣に気を配る習慣が身につくことが期待される。厚労省の報告書では、18歳以上の男女でBMIの目標数値の範囲を設定。18~49歳の場合には「18.5から24.9」とし、50~69歳は「20から24.9」、70歳以上は「21.5から24.9」に定めた。年齢を重ねるほど栄養状態が悪化することを考慮した。