飽食の時代でもミネラルは不足 とり方に工夫を食べ合わせを意識して

不足するとさまざまな体調不良を引き起こすミネラル。健康に不可欠な栄養素だが、ほかの栄養素と違い体内で作ることができないため、食事を通じて絶えず摂取する必要がある。とかくミネラル不足と言われる現代人。上手なとり方を専門家に聞いてまとめた。

そもそもミネラルとは何か。あらゆる物質をつくる基本単位が元素で、生体をは主に4つの元素(酸素、炭素、水素、窒素)でできている。ミネラルはそれ以外の元素の総称だ。

人体に必要とされるミネラルは16種類で、必須ミネラルと呼ばれる。そのうち、量の比較的多い7種類を主要ミネラル、残りを微量ミネラルと呼ぶ。

主要ミネラルはカルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム。微量ミネラルは鉄、亜鉛、銅、マンガンなどだ。厚生労働省は13種類の必須ミネラルについて摂取量の目安を定めている。

ミネラル不足が原因の最も深刻な健康障害は、カルシウム不足による骨粗しょう症だ。ほかにも、鉄不足は貧血、亜鉛不足は肌あれや味覚障害につながるといわれる。

■加工度を考える

ではどうすれば、日常生活の中で上手にミネラルをとれるのか。第一は、各ミネラルを豊富に含んだ食材をバランスよくとること。左の表に主なものをまとめた。ただ、食材選びのほかにも、意識をしておきたいことがある。

患者にミネラルやビタミンの摂取指導をしている稲毛病院(千葉市)の医師、佐藤務さんは「飽食の時代でもミネラルは十分にとれていない」と話す。

理由のひとつは、化学肥料の使用などによる土壌の変質などを背景に、野菜類に含まれるミネラルの量が昔に比べて大幅に減っていることだ。

日本食品標準成分表によると、ホウレンソウに含まれる鉄分の量は、1950年ごろに比べてわずか15%の水準。タマネギに含まれるカルシウムの量も半減している。

便利な加工食品も一因だ。ミネラルは一般に水に溶けやすいため、水処理した食材を使った加工食品はミネラルが失われやすいという。専門家が勧めるのが、同じ野菜や魚、肉を食べるにしても生鮮品を買って料理するなど、加工度や精製度の低い食材を中心にした食事だ。

調味料なら「ほぼナトリウムだけの精製塩の代わりに、多様なミネラルやビタミンを含む天然塩を使ったほうが、ミネラルはとりやすい」(佐藤さん)。

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