2013/10/14
男性と戦わずに勝つ。そんな「女性ならではの営業術」を伝えたいと語る

女性営業職の武器は「共感性、協調性、親和性、勤勉性、繊細性、母性」だと太田さんはみる。力業でガンガン押すことが多かった男性的な営業手法とは、ちょっと違う道だ。特に若い女性営業職は、「感謝される」ことを生きがいにしている人が多いという。「人の役に立ちたい」「ありがとうと言われたい」という志向も強い。売り上げを棒グラフにして壁に張り、むち打つようなやり方とは違うモチベーションの向上法が必要になる。

時代も味方し、女性営業職も年を追って増えてきた。体力勝負の営業手法では、出産や子育てとの両立は難しい。男性とは分かちあいにくい悩みを、会社の枠を超え、女性同士で解決しよう。2009年、「営業部女子課」と題した集まりを各地で開催し始めた。

働くママたちと悩み、ノウハウを共有

結果を出すと男性の嫉妬を買い「色気を使っているんだろう」などと、いわれない非難を受ける。接待要員にしか見てもらえない。そんな悩みを語り合い、それぞれの職場に合った解決策を皆で考えていく。現在、会員は1500人まで増えた。プライベートも充実した「かしこカワイイ」生き方を目指す。

女性には「上を目指さない働き方」を楽しんでいる人も多いと太田さんはみる。「営業は楽しい。だからこの先も頑張る」と意欲にあふれつつも、「仕事だけでは嫌だ」と思う。ひと昔前の「キャリアウーマン」にはなりたくない、という願望が台頭している。「競争に巻き込まれる働き方は嫌」「家庭もプライベートも両立したい」という。

一方で「上を目指せない環境」もある。管理職やリーダーになりたいと思っても、周囲に前例がない場合などだ。

「営業部女子課」のような集まりで、他社の人たちと仕事と家庭の両立のノウハウを交換したり、リーダーとして活躍する人の前例に具体的に触れたり。そうして営業職で長く生きていくすべを身につけてほしいと願う。

今年10月、子供のいる営業職女性だけを集め交流会「営業部ママ課」を開催

10月5日には「営業部ママ課」もスタートした。子供のいる女性営業職に特化した集まりだ。第1回の会合では大半が子連れでの参加。会議室の床をはったり、子供達同士で勝手に遊び始めたり。その傍らで、時に子供をあやしながら、悩みやノウハウを共有していく。

食品もクルマも、使う人、選ぶ人の多数派は女性だ。女性の営業職からモノを購入した人の満足度は高いという調査結果もあるという。営業の現場で女性が活躍するようになれば、企業も、顧客も、働く人たちも、さらには職場や家庭の男性たちも、いまよりもっとハッピーになるはず。太田さんはそう考える。

大勢の人に威張りたい。ライバルをつぶしたい。全国制覇、世界制覇をしたい……。そんな従来の起業家の原動力とは、全く違う志で起業やビジネスに取り組む女性たちが目立ちます。仕事を楽しみ、自分や周囲の悩みを解決するために起業し、共感や感謝の声を「次」への元気につなげる。そんな新世代の女子力起業家の生き方を紹介していきます。