リビングで使うおすすめ扇風機
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「節電」「音静か」高い評価
エアコンを止め扇風機を使えば節電効果50%――。政府が示す家庭の節電対策を受け、この夏、扇風機はリビングの家電の主役になるかもしれない。専門家に新モデルのリビング向き扇風機を挙げてもらったところ、大手だけでなく中堅の製品も入った。
モーターの回転数を最適に制御するインバーター機能を搭載するのが1位「SIENT(サイエント)」と2位「グリーンファン2」。羽根の枚数や構造を工夫することで、自然に近い風を送るのが特長だ。その結果、消費電力が少なく、音が静かなことが高評価につながった。
4位「エアマルチプライアー」の製造元、ダイソンはランキング中、唯一の海外メーカー(英国)。外気を取り込み、輪状の吹き出し口から均等に風を送る仕組み。羽根がないため、手を入れても安心だ。「個性的なデザインは、オブジェとしてシーズンオフでもそのまま飾れる」との声も多数あった。
選び方としては「コスト重視か、大手メーカーの手堅い製品か、デザインや付加価値重視か、目的を考えて」と選者の伊達浩二さん。音や消費電力にこだわらず、「涼しければいい」という人ならば、風を送るだけの単機能な商品が3000円程度から手に入る。一方、高価でも消費電力が少なければ、電気代を節約できる。
扇風機は例年梅雨明けから売れ始めるが、今年は購入を急ぐ人が多く、入荷待ちの製品も。日本電機工業会によると、4月の扇風機出荷台数は2010年同月に比べ2.4倍。あらかじめ中国の工場で生産し、計画数に達したらその年の出荷は終了する季節商品の扱いで、現時点で在庫が少なくなっているメーカーもある。
また、数十年前に購入した扇風機を久しぶりに使う際には、モーターなど部品の劣化で発煙や発火する場合もあるので、十分な注意が必要だ。
エアコン併用、配置に工夫を
夜間、熱気がこもる部屋を涼しくするのにも、扇風機を利用しよう。ベランダなどに扇風機を持ち出し、外から室内へ冷気を送り込むように回す方法と、ドアや窓を開けて室内から外に向かって扇風機を回し、熱や湿気を逃す方法がある。
我慢できないときはエアコンとの併用も。エアコンの冷気の向きを調整し、空気をかきまぜる。扇風機の配置の工夫で、エアコン1台で複数の部屋を涼しくすることも可能だ。
ただ、扇風機も就寝時には注意が必要。室温が下がる明け方、だるさや手足の冷えを感じる。「『弱』運転でも気温が低いと皮膚の表面温度が1時間で1度下がることもある」(奈良女子大学の久保博子准教授)という。
調査の方法 家電に詳しい専門家、流通関係者11人に、2011年モデルで各メーカーの最上位機種など2つまでを集めた計25機種から「リビングで家族で使う」目的で、最大13機種まで順位付けを依頼し、ランキング。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
石井和美(家電ライター)▽井上雅人(エディオンホーム・エコライフ商品部住環境グループマネージャー)▽岡田正(ヤマダ電機第一商品本部SMD)▽神原サリー(家電コンシェルジュ)▽清水智典(ヨドバシカメラマルチメディアAkibaマネージャ)▽じゅんいち(家電情報マガジンWHITE管理人)▽高橋勇光(ケーズホールディングス商品本部家電・季節商品部季節商品担当)▽伊達浩二(家電Watch編集長)▽土村利夫(リック「月刊IT&家電ビジネス」編集部記者)▽西田宗千佳(フリージャーナリスト)▽矢野きくの(節約アドバイザー)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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