ビジネスメールで好感度を上げるには
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1行を短く、読みやすく
日々の仕事のコミュニケーション手段として、頻繁に使われる電子メール。新入社員にメールの書き方を尋ねられた人も多いだろう。取引先などに好印象を持ってもらうためには、メールでどんな点に気をつければよいか、インターネットで調査した。
1位は「改行と空白をうまく使う」。ビジネスメールに詳しいアイ・コミュニケーション(東京都千代田区)社長の平野友朗さんは「1行が長くなると読みづらい。メールはざっと読んだだけで、内容が分かるほうがいい」という。
レイアウトについては、4位に「箇条書きを多用する」、11位に「【 】や■などのマークを活用」も入った。1日に何通もメールを受け取る人が多い中、読みやすいメールにすることに配慮している人が目立った。「質問に対し、箇条書きで丁寧に説明したら、高評価が得られた」(20代女性)という声もあった。
「受信者が開封するかは、件名と差出人名で決まる」(平野さん)ため、2位の「件名を具体的に書く」は基本だ。「相手にムダな時間を使わせないよう、的確に書く」(30代女性)というように、「結論から書く」(6位)ことに気をつけている人も多かった。
「失敗メールを少なくすれば長期の取引につながる」(50代男性)という意見も。そのために「送信前に読み返す」(3位)、「大事な用件は送信後に電話する」(7位)などに気をつけたい。
メールにはHTMLとテキストの2つの形式がある。HTMLでは重要な箇所に色をつけることができるが、ソフトによっては黒字になってしまうので、テキスト形式の方がよい。
ビジネスマナー研修を請け負うウイズ(東京都港区)代表の西出博子さんは「マナーは決まり事ではなく、相手と状況に応じて変わる。できる限り失礼のないメールを心がけたほうがいい」と話している。
調査の方法 ウイズの西出博子さん、マナーデザイナーの岩下宣子さんの協力を得て、社外の人に好印象を持って読んでもらうためのメールのコツを30項目選んだ。これを基に4月下旬、インターネット調査会社のマクロミルを通じて調査を実施。取引先など社外の人と日常的にメールをやりとりしている20~50歳代の会社員・経営者に30項目の中から特に気をつけて使っていることを5つまで挙げてもらった。有効回答は1032人。ビジネスメールの失敗談や気になっていた疑問も合わせて聞いた。
文字化け・記号…失礼のないよう配慮
ビジネスメールでは使う文字やファイルによって、文字化けしたり、読みづらくなったりするので注意が必要だ。例えばパソコンや基本ソフト(OS)によっては文字化けするケースがある。半角カタカナや「(1)」「(上)」などの囲み数字や囲み文字がその代表例。「(株)」も自分の会社に使うケースがあるが、使用は避けたほうがいい。
メールに添付されたワードやエクセルを開こうとしても、バージョンが異なると、レイアウトがきちんと表示されないことがある。日本マイクロソフトが提供する「互換機能パック」を受信者側が取り込めば見ることができるが、平野さんは「自分のバージョンが『2010』か『2007』で相手の状況が不明なら、『97-2003形式』で保存したファイルを送付したほうが無難」としている。
今回の調査では「『!』や『?』をビジネスメールに使っていいのか」(40代の男性)との声も寄せられた。ウイズの西出さんは「重要な取引先や目上の人には使わないほうがいい」という。マナーデザイナーの岩下宣子さんも「相手との関係性によっては使っていい場合もあるが、その使い分けをする自信がなければ使わないほうがいい」と指摘する。
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