まぜるだけ　お手軽パスタソース

年末に向けて忙しくなる季節を迎えた。時間がないときに重宝するのが市販のパスタソースだ。レトルトや缶詰など様々なタイプがあるが、最近売れ行きが伸びているのが、ゆでたてのパスタにあえたりまぜたりするだけで食べられるタイプ。レトルトなどと違ってソースを温める必要がなく、より手軽にできるとあって人気も高まっている。専門家が試食して、おすすめを選んだ。

１	614ポイント たっぷりソースでうれしいたらこ生風味（日清フーズ）
	「マ・マーいつもとちがうパスタソース」シリーズの一品。北海道産タラコ、北海道産バター、利尻昆布粉末といった産地や銘柄にこだわった素材を使っているのが特徴。同社の従来品と比べて約３割増やした多めのソースがパスタによくからみ、タラコのおいしさを存分に楽しめる。香り付けにユズを使用しており、後味が良く、飽きのこない味わいに仕上っている。有明産の切りのり付き。 　「感動するおいしさ。厳選素材と味、食感のバランスに加え、ほんのりとかおるユズが完ぺきなバランスの逸品」（藤原浩さん）、「内容量が多いのに、値段もお手ごろ。タラコの風味もしっかりしている」（上原悠子さん）(1)２人前64グラム（32グラム×２袋）(2)230円
２	583ポイント 海老トマトクリームソース（エスビー食品）
	「ゆでたてパスタにまぜるだけ」をうたうパスタソースの一品。袋に詰める際、熱による素材の劣化を抑える製法を使い、素材本来の風味を生かした。エビや香味野菜のうまみや、生クリームのコクなどを感じられる。ゆで野菜やシーフードにつけて楽しむ「ディップソース」や、ドリアのクリームとして使うのもおすすめ。 　「相性のいいエビとトマトの組み合わせがおいしい。女性や子どもが好む味付けに仕上がっている」（池上正子さん）、「味付けが良く、カニ風味かまぼこやパセリを足すだけで、見栄えも味も数倍アップしそう」（牛尾理恵さん）(1)２人前130グラム（65グラム×２袋）(2)240円
３	551ポイント うにクリーム（良品計画）
	「あえるだけのパスタソース」シリーズの一品。ウニそのものを裏ごしして作ったソースなので、まろやかで風味が豊か。レトルトよりも低い温度で調理する「ホットパック充てん」という加工方法を用いており、素材そのものの風味が生きている。刻みのり付き。 　「ウニの臭みが上手に取り除かれており、自宅でなかなか作れない素材を使ったパスタを簡単に作れるのはうれしい」（土屋敦さん）、「熱いパスタにとろりとからみ、ウニの香りも自然で優しく、塩加減もほどよい。期待以上の味で少々驚き」（町田えり子さん）(1)２人前61グラム（30.5グラム×２袋）(2)231円

４	538ポイント ドライトマト（カゴメ）
	「アンナマンマ　アーリオオーリオ・パスタソース」の一品。刻んだドライトマトをたっぷり使ったオイルベースのソース。ニンニク、バジル、唐辛子などシンプルな味付けで、肉・魚の調理にも向く。「オリーブ油の味やニンニクの香りがしっかりと出ていて、手作りと比べても変わらない味」（土屋さん）(1)３人前110グラム(2)340円
５	493ポイント からすみ（良品計画）
	「あえるだけのパスタソース」の一品。３位と同じ加工方法で、からすみの風味を生かし、ニンニクとアンチョビソースを加えオリーブ油で仕上げた。濃厚な味なので水菜などを加えるのもおすすめ。「からすみのパスタがあえるだけでおいしくできることに感激。何度も食べたくなる」（安井レイコさん）(1)２人前54グラム（27グラム×２袋）(2)399円
６	489ポイント ミートソースフォン・ド・ヴォー仕立て（キユーピー）
	「あえるパスタソース」の一品。約50年前から販売しているミートソースの缶詰の作り方を生かした。じっくりいためたタマネギ、牛肉、完熟トマトにフォン・ド・ボーを加え、長時間煮込んだ。「少し甘めの味わいで子どもも喜ぶ。通常のミートソースよりも奥深い複雑なうまみ」（鳥越美希さん）(1)２人前160グラム（80グラム×２袋）(2)240円
７	481ポイント 柚子こしょうペペロンチーノ（エスビー食品）
	「生風味スパゲッティソース」の一品。青唐辛子の発酵したうまみと味わいが特徴のユズこしょうならではの風味を楽しめる。切りのり、揚げニンニク、赤唐辛子付き。「ユズの香りにぴりっと辛みが効いた大人の風味で、ほのかな酸味がさわやかな余韻。付属の薬味も完ぺき」（町田さん）(1)２人前54.8グラム（27.4グラム×２袋）(2)190円
８	398ポイント たらこ（エスビー食品）
	「生風味スパゲッティソース」の一品。タラコのうまみと香りがしっかりと感じられ、バランス良く仕上がった。タラコの粒感も楽しめる。タラコオムレツなどに使うのもおすすめ。切りのり付き。「全体的に濃い味が多いタラコ味の商品のなかで、抑えめの味付けが良い。生臭さもない」（牛尾さん）(1)２人前53.4グラム（26.7グラム×２袋）(2)180円
９	396ポイント スパドレジェノベーゼ（ピエトロ）
	「ゆでたパスタにまぜるだけスパドレ」シリーズの一品。自社工場でバジルの葉をすりつぶし、松の実もいってからつぶした。非加熱でボトル詰めするため、香りが高い。「バジルの香りにふんわりと包まれ、リッチな気分を味わえる。ゆでたり蒸したりした野菜やパンにつけても楽しめ、常備しておきたい」（松井一恵さん）(1)６人前180ミリリットル(2)350円
10	374ポイント きのこの醤油バターソース（キユーピー）
	「あえるパスタソース」の一品。ヒラタケ、シイタケ、エリンギの３種のキノコを使用。しょうゆバターのベースにニンニクを効かせたマイルドなソース。刻みのり付き。「とても香りが豊かでおいしい。キノコの具も入っており食感を楽しむこともできる。夕飯が遅くなったときにサッと食べたいパスタ」（島本美由紀さん）(1)２人前110グラム（55グラム×２袋）(2)240円

あえるだけのパスタソースの多くはペースト状のソースが袋や瓶などに入っており、常温で保存できる。ソースを出し、別途用意し温めたスパゲティなどとからめるだけで出来上がる。自宅で食事する内食志向に加え、味の種類が増えていることもあり、よく売れている。「市販のパスタソース市場の約3割を占める」（日清フーズ）という。

ランキングも1位と8位はおなじみのタラコ味だったが、そのほかは多彩な顔ぶれが並んだ。手軽さだけでなく、味もなかなか本格的。エビのうまみを凝縮させたトマトソース、ウニやからすみを使ったソースなど、レストランのメニューのような商品が上位に入った。専門家からは「お店に行かなくても手軽に様々な味を食べられるようになってきた」（島本美由紀さん）などの感想があった。

他の料理の調味料やソースとしても利用できる商品も多く、パッケージにレシピを掲載しているものもある。いため物の調味料、肉や魚のソース、野菜につけるディップなどにも応用でき、「バランスの良い調味料としてほかの料理にも使える」（八木えり子さん）といった声が相次いだ。

中でも、他の料理への使い勝手の良さで評価が高かったのが、9位のドレッシングタイプ。「1回の分量を自分で決めることができ、パスタの新しい手軽な食べ方といえる。サラダや肉のソースとしての使い道もある」（滝村雅晴さん）という声があった。

野菜も一緒にゆでて具を追加

そのままでもおいしいが、少し手間を加えるとより満足感が高まる。専門家に一工夫する方法を聞いた。

まずおすすめなのが、ブロッコリー、水菜、レタス、トマトなど「パスタがゆであがる直前に鍋に野菜を追加する」（池上正子さん）こと。お湯をきったらそのままソースとまぜるだけなのでお手軽だ。食べる前にドライハーブなどをトッピングしたり、粗びき黒こしょうやバージンオリーブ油をかけたりするだけでも「香りがプラスされ、味が引き締まる」（池上さん）。

調理法では「アルデンテにゆで、熱いうちに手早く丁寧によく混ぜることが秘訣」（松井一恵さん）。くぼみのある皿の方がまぜやすい、冷めにくいよう皿を温めるのも忘れないように。