この春のパソコン商戦は、Windows 11時代の本格的な到来を告げるものになりそうだ。ほとんどのパソコンが11を搭載し、CPU(中央演算処理装置)やストレージ容量など基本性能を高めている。今こそパソコン買い替えの好機。その製品選びのツボを6回連載で解説する。まずは技術動向を見てみよう。
インテルの「第12世代CPU」が狙い目
春商戦の目玉の1つは、Windows 11世代の本命CPUと目されているインテルの「第12世代Core(開発コード名:Alder Lake)」が登場したことだ。前世代のCPUから大幅な性能向上を実現しつつ、「DDR5メモリー」など最新テクノロジーをサポートする(図1)。デスクトップパソコンではすでに搭載製品が発売されており、ノートパソコンも4月以降に搭載製品が登場する予定だ。

第12世代Coreが前世代までのCPUと大きく異なるのは、性能を重視した「Pコア(Performance Core)」と、電力効率を重視した「Eコア(Efficient Core)」の2種類のコアを搭載している点だ(図2)。

OS(基本ソフト)が2種類のコアに効率的に作業を振り分けられるよう支援する「Thread Director(スレッド・ディレクター)」という機能も搭載しており、Windows 11との組み合わせで最高の性能と電力効率を発揮する。
Pコアの実体はCore系統の最新モデル「Golden Cove」で、Eコアの実体はAtom系統の最新モデル「Gracemont」だ(図3)。インテルによれば、Pコアは従来モデルより性能が大幅に向上しており、EコアもAtom系統とはいえ、第10世代Core並みの性能を持つという。
